「こんなことってあるかしら?」と言ってしまうようなシュールでナンセンスな画面の連続。うちの子どもに一番うけていたのは消防自動車のお話。私が笑ってしまったのは小さいタクシーの画面でした。この絵本、実は表紙が謎なんですね。文や説明は付いていません。ちょっと恐いような、おかしいような、不思議な絵です。
▼長新太『こんなことってあるかしら?』クレヨンハウス、1993年
「こんなことってあるかしら?」と言ってしまうようなシュールでナンセンスな画面の連続。うちの子どもに一番うけていたのは消防自動車のお話。私が笑ってしまったのは小さいタクシーの画面でした。この絵本、実は表紙が謎なんですね。文や説明は付いていません。ちょっと恐いような、おかしいような、不思議な絵です。
▼長新太『こんなことってあるかしら?』クレヨンハウス、1993年
タグボートの「とーとー」がはじめて仕事をする物語。タグボートの紹介や進水式もあり、他の船も幾つか登場します。巨大な貨物船を一生懸命引っ張る「とーとー」の姿がよいです。
▼小風さち ぶん/山本忠敬 え『ちからもちのタグボート とーとー』「こどものとも」1997年3月号(通巻492号)、福音館書店、1997年
この絵本は作者の井川さんのデビュー作です。図書館にいた主人公の「ぼく」が子犬の「ポチポチ」に連れられて動物の図書館に行く物語。たくさんの動物たちがそれぞれ楽しく本を読んでいる画面はにぎやかでおもしろいです。動物たちは人間に変身するのですが、もともと人間の図書館の登場人物と動物の図書館の動物は対応しているんですね。子どもに教えられました。子どもはよく見ています。今日の疑問は、「こうもりはどんな人間に変身したんだろう?」。うーん、たしかに謎。
▼井川ゆり子『ポチポチのとしょかん』文溪堂、2003年
今日も子どもといっしょに「どこどこどこ!?」と探してみました。お寿司屋の「カッパちゃん」の「えび」、ついに発見! それから、「どんぐりぼうや」も全部、見つけました。けっこう、うれしいです(^^;)。でも、まだ見つかっていないものがあります。難しいです。
それはともかく、よく見ると、絵のなかのポスターとか広告の文が笑えます。あと、巻末の作者紹介文は長谷川さん自身が物語風に書かれていて、これもおもしろい。
▼長谷川義史『どこどこどこ いってきまーす』ひかりのくに、2003年
またまた『ありがたいこってす!』。今日は月の描写に注目。子どもに言われて気が付いたのですが、主人公の家のなかがめちゃくちゃになっている画面では、三日月が家の窓を突き破っています。それによくみると、他の画面にもさりげなく月が描き込まれ、その満ち欠けが時間の流れを表しているようです。今日の疑問は、ラストシーンでラビはなぜあんな顔をしているのかな、ということ。うーん、たしかに「やれやれ」っていうような表情です。
▼マーゴット・ツェマック/わたなべ しげお 訳『ありがたいこってす!』童話館、1994年
「テディベアのえほん」シリーズの1冊。5匹のテディベアの雨の日の一日が描かれています。5匹それぞれのキャラクターがはっきりしていて、また色で区別されるところは、「バーバパパ」シリーズなどとも共通。うちの子どもには、ひたすら食べることばかり考えている「ウィリアム」がうけていました。私にとっておもしろかったのは、間違いなく活字中毒者の「チャールズ」。朝ご飯も食べずに、コーンフレークの箱の文字を読んでいます。いや、身につまされます(^^;)。
▼スザンナ・グレッツ/各務三郎 訳『雨の日のうちゅうせんごっこ』岩崎書店、1984年
「講談社のバーバパパえほん」シリーズの1冊。夏休みを南の島ですごすバーバパパ一家。へーっと思ったのは、バーバパパの子どもたちが大げんかをするところ。けんかもするんですね。これまで、とても平和的で仲がいいという印象があったので、意外でした。ペンキの色をきっかけにして仲直りするのも、おもしろいです。
▼アネット・チゾン、タラス・テイラー さく/やましたはるお やく『バーバパパのなつやすみ』講談社、1995年
家のにわとりが生んだ卵をまちに売りに行く「おばさん」の物語。卵を売ってどうしようかと、道々、取らぬ狸の皮算用。「おばさん」の夢はどんどんふくらんでいきます。その暴走ぶりが実におかしい。合理的な計算とファンタジーが同居しています。夢の結末もなかなか味があります。表紙と裏表紙の見返しもウィットに富んでいて、この絵本、おすすめです。
▼イングリとエドガー・パーリン・ドーレア さく/せた・ていじ 訳『ひよこのかずはかぞえるな』福音館書店、1978年
アジア・エスキモーの昔話をもとにした絵本。おばあさんと二人暮らしの男の子、アイパナナ、食べ物がなくなったある冬の日、ネズミの母親の魔法(?)でたくましい青年に成長します。アジア・エスキモーの衣服や家が描かれていて、興味深いです。全体的に紙面の白が強調されるような彩色で、冬のキーンとした寒さが感じられます。
▼V.グロツェル/G.スネギリョフ 再話/松谷さやか 文/高頭祥八 画『むらいちばんのりょうしアイバナナ』「こどものとも 年中向き」1997年2月号(通巻131号)、福音館書店、1997年
片山健さんのコッコさんシリーズの1冊。もとは1986年発行、うちでは1995年発行の第2刷を持っています。コッコさんシリーズは多くが単行本になっていますが、これはまだ単行本化されていないようです。
この絵本で描かれているのは、朝の訪れ。ニワトリや森の鳥たちが目覚め、空の色が変わっていき、「おとなりの おばあちゃん」が起き、「おにいちゃん」も起き、そして最後に「コッコさん」が起きます。朝のゆっくりとした変化が、繊細な彩色で描き出されています。空の色の変化、木々の色の変化が、たいへん美しい。カーテンのすきまから入ってくる光の描写もすばらしいです。
「コッコさん」と「おにいちゃん」の寝相は、うちの子どもみたいでかわいいなと思いました(親ばか^^;)。この絵本、おすすめです。
▼片山健『コッコさん おはよう』「こどものとも 年中向き」1995年6月号(通巻111号)、福音館書店、1995年