「絵本の読み聞かせ」カテゴリーアーカイブ

屋外での父親による絵本読みきかせ

 日本最南端の新聞社、【八重山毎日オンライン】 石垣島・竹富島・黒島・西表島・小浜島・波照間島・与那国島などのローカルニュース 、10月24日付けの記事、父親の読み聞かせ好評/屋外活動に子どもたち大喜び 【八重山毎日オンライン】

 石垣市立白保小学校で行われている父親による屋外での絵本読みきかせです。年2回実施され、10月20日には校内6カ所で父親が持参した絵本を読んだとのこと。写真も掲載されているのですが、とても気持ち良さそう。10月でも石垣島は夏ですね。木陰で夏服の子どもたちがお父さんを囲んでいます。うーん、素晴らしいです。

 面白いのは、子どもたちには事前に絵本名と場所だけが知らされ、誰が読むのかその場所に行くまで分からないこと。自分のお父さんとか、お気に入り(?)のお父さんではなく、絵本それ自体と読む場所それ自体を子どもたちは選ぶわけです。

 なんというか、スリリングな一期一会。

 同じ絵本でも、誰が読むかによって印象はかなり変わるでしょうし、また読み聞かせなら、誰が聞くかによって変わってくるでしょう。その「誰か」がそのときにならないと分からないわけです。

 加えて絵本を読む空間の唯一性。屋外ですから、風も光も土も空気も、その場かぎりです。もちろん、屋内で絵本を読むときも同じですが、屋外ではその唯一無二性を肌で実感できると言えます。子どもたちにとっても、お父さんたちにとっても、毎回、非常に新鮮なのではないかと思います。

 あるいはまた、自分のお父さんとは違うお父さんに出会う、自分の子どもとは違う子どもに出会う、しかも毎回変わっていく、このことの意義はいろんな点で大きいかもしれません。

 記事によると、白保小学校では、すでに10年ほど前から父母による読み聞かせをしているとのこと。屋外での読み聞かせも2002年からスタート。これは全国的に見ても、かなり早い取り組みなのではないかと思います。すごいですね。白保小学校の紹介ウェブページはしらほ小学校。PTA活動が活発との記述があります。

 屋外で子どもと一緒に絵本を読む……一度、やってみたいなあ。

父親の絵本読みきかせ

 JPIC 財団法人 出版文化産業振興財団が刊行している季刊誌、『この本読んで!』のサイト、えほん大好き(読みきかせ・絵本大好きな方々のコミュニティ)に興味深い記事が載っていました。特集 お父さんだって、読みきかせたい。です。

 『この本読んで!』の読者の夫、100人に対し、家事・育児へのかかわりや読みきかせについて実施したアンケートが掲載されています。もちろん、サンプルが100人ですから、平均的父親とは言いにくいですし、また『この本読んで!』を定期講読しているとなると、比較的絵本に親しんでいる家庭かもしれません。それでも、一般的な傾向は読み取れると思います。

 上記のウェブページの左側には、アンケートの単純集計がグラフで表されています。それを見ると、まず意外だったのは、父親がかかわっている家事・育児の第3位に読みきかせが挙がっていること。複数回答で、全体の42%です。けっこう読みきかせをされているお父さんが多いと言えます。

 その一方で、読みきかせが好きだと答えた父親は28%、読みきかせが得意と答えた父親は21%しかありません。「どちらともいえない」が半分以上を占めていますが、けっこう低い数値ですね。

 この傾向は、上記のウェブページの右側にまとめられている自由回答からも読み取れます。たとえば「自分にはできない」「何がおもしろいのかわからない」「面倒くさい」「自分が眠くなってきて、つらい」といったネガティヴな回答が並んでいます。比較的、絵本の読みきかせに積極的なお父さんでも、明確に前向きな回答は少ないような気がします。

 特集のタイトルは「お父さんだって、読みきかせたい。」ですが、調査の結果からは、とてもそう言えない現状が浮かび上がってくると言ったら言い過ぎでしょうか。

 アンケートのまとめに記されているように、お父さんにとっての読みきかせは発展途上かもしれませんね。単なる印象論にすぎませんが、一つには、「恥ずかしい」「どうしたらよいのか分からない」といった、読みきかせをはじめる以前の尻込みがあるように思います。もう一つには、仕事が忙しく疲れている父親の姿があると言えるでしょう。

 私の個人的な体験から言うと、子どもと一緒に絵本を読むことは、それ自体、仕事の疲れを取ってくれる最高の時間です。恥ずかしい、分からないといった最初のハードルを越えたら、あとは楽園、もうやみつきです(^^:)。

 特集のパート2で鈴木光司さんが触れているように、子どもの教育のためといったこともないわけではないでしょうが、私の場合は、むしろ、自分自身のためにも読みきかせをしていると言えます。読みきかせは、仕事のストレスを忘れさせてくれると言ってもよいです。

 まず、絵本は一つの独創的な表現様式であって、それにふれること自体が楽しみになると思います。すぐれた絵本は一個の芸術作品であり、それを体感することが楽しいわけです。

 もちろん、子どもと一緒に絵本を読むことはコミュニケーションですから、独りよがりなものではうまくいかないと思います。そうではなくて、子どものぬくもりを感じ、やりとりを楽しみ、一緒に笑ったりしんみりしたり、場を共有することそれ自体が、子どもにとっても自分にとっても貴重で、そしてまた楽しいのです。

 とにかく、まずは自分と子どもが楽しい時間を過ごす、そのことだけを考えるのがよいかもしれません。何かのためではなくて、それ自体を楽しむことが大事で、実際、絵本はそういう楽しみをたくさんもたらしてくれると思うのです。

 えほん大好き(読みきかせ・絵本大好きな方々のコミュニティ)ひとのページで、飯野和好さんが次のように語っています。

 絵本を人に読んであげるとき、たとえ相手が何人でも「芸能」になる。人に向かって表現するわけだからね。それをただ「読んで聞かせよう」とする人がたくさんいるんだね。芸能として考えたとき、もっと表現方法があると思うんだ。子どもを「いい子に育てよう」とかあまりかたく考えないで楽しんでほしいなぁー。

 大事なことはまさに上記で言い尽くされていると思うのですが、どうでしょう。

「読み聞かせ」と著作権

 asahi.com、5月13日付けの記事、asahi.com:「読み聞かせ」に細かい注文 著作権めぐり作家ら – 暮らし。図書館や幼稚園などで行われる絵本の「読み聞かせ」や「お話会」について、著作権者への許諾の要・不要に関するガイドラインを、児童書四者懇談会が作成したとのこと。児童書四者懇談会に参加しているのは、日本児童出版美術家連盟、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会、日本書籍出版協会児童書部会。

 ガイドラインは、日本書籍出版協会からPDFファイルでダウンロードできます(ただし、ファイルのサイズが2.6Mもあるので、ダウンロードするのに時間がかかります)。

 すでに多くのブログで言及されていますが、どちらかといえばネガティブな反応が多いようです。私も、最初、asahi.com の記事を読んだとき、これはどうかなあと反発を感じました。

 ただ、PDFファイルをダウンロードして読んでみると、部分的にはそんなにおかしな内容ではないと思いました。営利使用の場合には許諾が必要であるという当然の原則をまず挙げているわけで、これはそれほど異論はないでしょう。しかも、観客から1円でも料金を取ったらダメというわけではなく、会場費や交通費、お弁当代、資料代、お菓子・ジュース代を徴集することは認めているわけです。グレーゾーンは残るでしょうから、そのあたりの判断の難しさはあるにせよ、割と妥当な線引きではないかと思います。

 その一方で、かなり大きな問題をはらんでいるのが、非営利であっても原本に少しでも改変を加えるなら、すべて許諾が必要としている点。具体的には10の利用形態が許諾を要するものとして挙げられています。引用します。

  1. 絵本・紙芝居の拡大使用(弱視者用も同じ)
  2. ペープサート
  3. 紙芝居
  4. さわる絵本
  5. 布の絵本
  6. エプロンシアター
  7. パネルシアター
  8. パワーポイント
  9. OHP
  10. その他、いかなる形態においても絵本の絵や文章を変形して使用する場合

 これは少々、杓子定規すぎると思います。なにせ弱視者用に拡大するのもダメ……。なんだかなあ。ここまで規制する必要が本当にあるのかなと疑問に思えます。

 ちょっと考えてみても、ある程度の大きさの会場で絵本の読み聞かせをするとなると、子どもたちに絵本が見えにくいケースが多々あると思います。私も子どもと一緒に図書館の読み聞かせ会に参加することがありますが、近くまで寄らないとよく見えません。小さな判型でも優れた絵本はたくさんありますが、それをそのまま読み聞かせしようとしても、子どもに見えなくては意味がありません。この点からすると、拡大使用(パワーポイントやOHPも含めて)はある程度認められてよいと思うのですが、どうでしょう。

 ペープサートや紙芝居、さわる絵本、等についても、子どもたちに絵本の世界に親しんでもらう一つのやり方と考えれば、ある程度は認められてよいと思います。もちろん、その場合には、出所を明示する必要があるでしょう。

 うがった見方かもしれませんが、「読み聞かせ会」で面白かった絵本を自宅用に購入することもあるでしょうし、絵本作家や出版社の情報を知る契機でもあります。ボランティアで行われている「読み聞かせ会」は、著作者や出版社にとって無料の広告媒体とも言えます。

 また、直接的な利益に結びつかなくても、そもそも「読み聞かせ会」や「お話会」は、子どもたちが絵本と出合う貴重な機会です。絵本の面白さ、楽しさを知るチャンスをもっと大事にしてよいと思うのですが……。

 ガイドラインの1ページの末尾には次のように記されていました。

絵本や児童文学作品の作り手と渡し手が、共に手を携えて作品世界の楽しさを子どもたちの心に届けられるよう、この手引きを活用されることを願っています。

 もちろん、作品の改変を無制限に許すことは決してできません。しかし、「作品世界の楽しさを子どもたちの心に届け」るためには、もう少し配慮があってよいと思います。

絵本ダイアリー

 4月25日付け、asahi.com の記事、asahi.com: 子の成長映す絵本日記 読み聞かせやりとり記録 – こどもの本。絵本の読み聞かせをを記録する日記帳が話題になっているそうです。グランまま社から刊行された『絵本ダイアリー』です。読んだ絵本のタイトル、子どもの反応、やりとり、親の感想などを書いていく日記とのこと。

 グランまま社のサイトは、絵本の樹美術館&グランまま社top新刊情報 絵本ダイアリーに詳細が載っています。実際のページの画像も掲載されています。編者は、絵本ナビ パパ’s絵本プロジェクトの田中尚人さん。

 田中さんの編者コメントには、『絵本ダイアリー』が生まれた経緯も記されていました。2人目のお子さんに読んだ絵本のことは大学ノートに記録しているそうですが、1人目のお子さんは記録しておらず、それをとても悔しく思ったのがきっかけとのこと。

 考えてみれば、自分の子どもと一緒に絵本を読むことは、本当に貴重な時間です。絵本を読んで、一緒に笑ったりしんみりしたり話をしたりすることは、子どもにとっても、親にとっても、かけがえのない体験です。それを記録した日記帳は、まさに宝物になると思います。

 私もブログのかたちで絵本のレビューを書いていますが、子どもを中心に、というよりは絵本を中心にした内容。子どもの反応ややりとりも少しは書いていますが、それほど多くありません。またブログを始めたのは、子どもの年齢がだいぶ上がってからなので、絵本を読みはじめた当初のことはかなり忘れています。

 それに、ブログは公開が前提になるので、あまり個人的なことを書くのはそぐわない気がします。以前はそうでもなかったのですが、だんだん、抵抗を感じるようになってきました。

 今からでも、絵本日記、付けてみようかな。

 ただ、手書きだと、私の字の汚さがネック。自分以外ほとんど判読不可能な位です(^^;)。また、手書きで書く時間をどうやって捻出するかが一苦労かも。いやまあ、日頃の時間の使い方を見直せば、そのくらいの時間は大丈夫かな。手書きの良さもあると思いますし、少し試してみようと思います。

伴奏付きの読み聞かせ

 asahi.com 8月31日付けの記事、asahi.com : マイタウン秋田 – 朝日新聞地域情報:「グループかぜ」代表谷京子さん読み聞かせ。秋田市で読み聞かせ等の活動をしている「グループかぜ」が取り上げられています。

 おもしろいのは、読み聞かせに伴奏を付けるという取り組み。絵本も紙芝居も絵を見せられる人数には限りがあるため、もっとたくさんの子どもに楽しんでもらおうと始めたのだそうです。物語を語りながら、その場面をイメージした音楽を演奏。「語りと伴奏」がグループのスタイルとのこと。

 なるほどね。絵がなくても、音楽があることで、格段に想像の幅が広がりますね。もしかすると、曲はオリジナルなのかな。

 もう一つ、非常に納得したのが、次のこと。

 「ただ、どの子も歌や読み聞かせが好きとは限らない。そんな子が会場でつらい思いをしないよう気を使う」と谷さん。

 これは、たしかにそうなんですよね。歌が苦手な子どもは結構いると思います。いや、私自身、歌はちょっと苦手です。音楽や歌が付くと、自分が歌っていなくても、なんだか恥ずかしくなります。引いてしまうというか、さめてしまうというか……。

 でも、そこまで配慮するのは、なかなか、すごいことですね。

尾崎秀子さんの「語り」ボランティア

 asahi.com 8月31日付けの記事、asahi.com : マイタウン秋田 – 朝日新聞地域情報:尾崎秀子さん 子どもたちに「語り」。「語り」ボランティアを20年にわたってされている尾崎さんについての記事です。尾崎さんは、農村などに伝わる物語を「おはなし会」などで子どもたちに話されているそうです。「語り」というのは、つまり、絵本などは使わないで、物語を子どもたちに語って聞かせること。

 絵本の読み聞かせとの違いを指摘されているところが興味深い。

長女の通う小学校でプロの「語り」を聴いたのがきっかけ。「絵本を読まれるのとは違い、自分の頭の中で自由に絵を描ける」魅力に感動した。

 なるほどなあ。たしかに、絵本の読み聞かせの場合には、どうしても絵に縛られるところがあると思います。その点で、「語り」は自由に想像できるわけですね。

 と同時に、絵によって逆に想像力がかき立てられるというか、絵があることで逆に想像力が広がり深まることもあるかと思います。

 まあ、どちらがよいというわけではなく、それぞれの特性があると理解すべきでしょうね。

 あと、尾崎さんのお話でおもしろかったのは、農村に伝わる物語には「ムラ社会」特有の教えが色濃く表れているということ。人と同じである方がよい、思ったことを口に出さない方がよい、といったことです。これは、たしかにそうだなあと思います。

 別の角度から言うと、こういう農村に独特の慣習をどう読み替えていくかが、昔話の再話の一つのポイントになるのかもしれません。

青森市がブックスタート事業をスタート

 陸奥新報、8月30日付けの記事、陸奥新報WWW-NEWS:絵本楽しみ親子で触れ合い 青森市が子育て事業。青森市で、今年度、4歳児検診時に絵本を手渡す「ブックスタート事業」を始めたそうです。4歳児検診のときに渡すので、実質的には4月以降に生まれた赤ちゃんが4ヶ月になる8月にスタートとのこと。

 ただ絵本を手渡すだけでなく、赤ちゃんとの向き合いを伝えたり、図書館が赤ちゃんの名前で図書カードを発行したりしているそうです。写真が掲載されていましたが、絵本のほかにお薦めブックリストや子育て相談窓口情報を載せたパンフレットが入った「ブックスタート・パック」というセットを渡しているんですね。これは、いろいろ役立ちそうです。

 保健所だけでなく、図書館や読み聞かせのボランティアグループも連繋しているのは、とても充実していて良いんじゃないかと思います。横のネットワークがあるのは、子育て支援という意味でも大事なポイントかもしれません。

 ブックスタートについては、特定非営利活動法人ブックスタートが、活発に活動していますね。ウェブサイトは、特定非営利活動法人 ブックスタート。サイトの説明によると、2005年3月31日時点で、全国653の自治体でブックスタートが実施されているそうです。全国の市町村数は2544なので、約4分の1の市町村が実施していることになります。すごいですね。

 青森市の「ブックスタート・パック」も、この特定非営利活動法人ブックスタートのものを活用しているようです。ブックスタート・パックに紹介がありました。

屋外で絵本の読み聞かせをする「こかげ文庫」

 中日新聞、7月24日付けの記事、菊川・正法寺など涼しげな境内で「こかげ文庫」始まる

 神社や公会堂の涼しい木陰を利用して、幼児や児童に絵本に親しんでもらうという夏休みの企画。主催は、菊川市立図書館菊川文庫と子ども読書連絡会。なんと、19年前から続いている取り組みだそうです。

 いやー、これ、すごく気持ちよさそうですね。掲載されている写真を見ても、実にいい感じです。j神社やお寺の境内というちょっと非日常的な空間、夏の焼けた土と空気のにおい、セミの鳴き声、そして木陰の少しずつ変化する光……。絵本を読むのに、こんなすばらしい舞台は他にないです。いいなあ。

 読む絵本も、長さ20メートルの障子紙を使った巻き絵本や大型紙芝居など、いろいろ工夫されているようです。

 菊川市立図書館菊川文庫のウェブサイトは、菊川市立図書館菊川文庫

稲垣吾郎さんによる絵本の朗読:フジテレビ「忘文」

 ネットをさまよっていて偶然、知ったのが、フジテレビの番組「忘文」(わすれぶみ)。日曜は 早起きがオトク : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)という記事に紹介が載っていました。日曜日の早朝、午前5時45分から放映されている15分番組。ウェブサイトは忘文です。

 SMAPの稲垣吾郎さんが一般公募した手紙と絵本を1冊、朗読するという内容。「忘文」という名前は、中国の故事「忘草(わすれぐさ)」に由来し、「それを読むと日頃の憂いを忘れさせてくれる文」ということだそうです。手紙は、家族や友人に宛てたもので、その相手を前にして稲垣さんが読むとのこと。

 そして絵本。サイトには、2003年10月にスタートしたときからのバックナンバーが掲載されているのですが、当初は文学作品などのいわゆる「名文」を朗読していたようです。で、それが絵本に変わるのは、総集編をはさんで2004年の10月辺りから。そのラインナップをみると、佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』、ガース・ウイリアムズさんの『しろいうさぎとくろいうさぎ』、トミー・アンゲラーさんの『すてきな三にんぐみ』、レオ=レオニさんの『スイミー』といった名作が多いようです。でも、最新の3月13日は島田ゆかさんの『かばんうりのガラゴ』。

 どんなふうに読んでいるのかなあ。一度見てみたいです。稲垣さんの声は、割と落ち着いていると思うので、けっこう絵本の朗読に合うかもしれませんね。

 あと、撮影は公園など野外でおこなわれているそうです。緑のなかで日差しを浴びながら絵本を朗読する……。うーん、なんか、いいですねー。15分という短い番組ですが、日曜の朝にぴったり。

 あ、そうだ! うちの子どもに絵本を読むときも、たまに外で読むとよいかも。図書館や家のなかで読むのとは違い、もっと開放的で気持ちいいような気がします。

 もう少し暖かくなったら、一度、試してみたいですね。でもまあ、少し恥ずかしいかな(^^;)。

中学生による手作り絵本の読み聞かせ

 先日の記事で高校生による読み聞かせを取り上げたのですが、今度は、中学生による読み聞かせです。『中日新聞』2005年1月21日の記事「浜松・蜆塚中生らが 幼稚園で手作りの絵本を読み聞かせ」。少し引用します。

浜松市蜆塚中学校の三年生約七十人が二十日、近くの浜松海の星幼稚園を訪れ、手作りの絵本を園児たちに読み聞かせた。家庭科の幼児の遊びについて学ぶ授業の一環で、一人一冊ずつ作製した。

 検索したら、浜松市立蜆塚中学校のサイトもありました。サイトのなかでは、今回の取り組みについて説明は見つかりませんでした。

 最近の家庭科ではこういう授業もおこなわれているんですね。手作り絵本というところがまたすごい。

 2作ほど絵本の内容も紹介されています。それを見る限りでは「しつけ絵本」の類が多いのかも。とはいえ、園児たちへの呼びかけや、やりとりも作り込まれ、工夫されているようです。

 最後に中学生の感想の声も掲載されていました。「楽しんでもらえるように、反応を見ながら読みました」とのこと。うーむ、なかなか。

 私は自分の子どもと一緒に絵本を読むだけですが、けっこう、子どもの反応を忘れがちです。どうしても文字に集中してしまいますし、隣にいる子どもの様子をいつも、きちんと見ているとは、とても言えません。

 集団での読み聞かせなら、なおさら緊張してしまい、まわりが見えなくなるかも。これに対し、この記事の中学生のみなさんは、たいしたものです。

 見知らぬ異年齢の相手のことを考えて絵本を手作りし、相手の反応を見ながらそれを読み聞かせする……こういう活動は、あるいは、コミュニケーションの力を育成するのに効果があるのかもしれないなと思いました。

 しかしまあ、ことさら教育的な効果をねらうよりは、その場をともに楽しむことが重要なんでしょうね。