月別アーカイブ: 2004年7月

なかえよしを/上野紀子『それいけ!ねずみくんのチョッキ』

 2冊目は『それいけ!ねずみくんのチョッキ』。この絵本は、紙面の使い方に加えて、色使いも特徴的。登場する動物たちはどれもモノクロで描かれ、色がついているのはチョッキやリボンの赤と、プレゼントのうすいピンクだけ。すべてのページが緑でふちどられており、この緑とチョッキの赤との対照が強調されています。

▼なかえよしを 作/上野紀子 絵『それいけ!ねずみくんのチョッキ』ポプラ社、1997年

長谷川義史『どこどこどこ いってきまーす』

 今日は2冊。1冊目は『どこどこどこ いってきまーす』。子どもといっしょにがんばって、本文も表紙・裏表紙もすべて見つけました。やったー! いやー、難しかった(^^;)。「きいろい ねこ」と「ろば」、この2つが難関でした。残るは、表紙と裏表紙の見返しにある「まちがいさがし ちゃう ちゃう ちゃう」。それぞれの見返しの間で8つも違いがあるそうなんですが、ちっとも分かりません。うーん、まだまだ楽しみ(?)は続きます。

 ところで、この絵探しは、オリジナルでもやれますね。たとえば表紙、「忍者が一人、どこどこどこ?」といった感じで自分たちなりに新しく質問を作って楽しめます。

▼長谷川義史『どこどこどこ いってきまーす』ひかりのくに、2003年

甲斐信枝『あしながばち』

 ラストは『あしながばち』。やはりすばらしい。本当におすすめです。ところで、この絵本では、絵も個々の描写も非常にリアルに描かれています。そのためか、うちの子どもは、読むとき絵本を近づけると逃げていきます(^^;)。画面もさわろうとしません。たぶん、感覚的に恐いんでしょう。でも、そのリアリティがこの絵本の魅力です。

▼甲斐信枝『あしながばち』福音館書店、1975年

なかえよしを/上野紀子『それいけ!ねずみくんのチョッキ』

 3冊目は『それいけ!ねずみくんのチョッキ』。「ねずみくんの絵本」はシリーズになって何冊も出ているようです。うちの子どもは、カバーに付いていた案内を目ざとく見つけ、次はシリーズの他のものを読もうと言っていました。

▼なかえよしを 作/上野紀子 絵『それいけ!ねずみくんのチョッキ』ポプラ社、1997年

アネット・チゾン、タラス・テイラー『バーバパパのなつやすみ』

 2冊目は『バーバパパのなつやすみ』。けんかのあとで仲直りする場面がよいです。みんなでまるく一つになってピタッと抱き合っています。

ようやく、かぞく みんなが いっしょに なれて、
うれしい うれしい。

▼アネット・チゾン、タラス・テイラー さく/やましたはるお やく『バーバパパのなつやすみ』講談社、1995年

こじま しほ『へびかんこうセンター』

 今日の1冊目はまたまた『へびかんこうセンター』。この絵本では、表紙の見返しからはじまって、本文、裏表紙の見返し、裏表紙にいたるまで、ずーっと物語が続くように描かれています。物語のラストが実は裏表紙なんですね。またカバーにも遊びの要素があり、それもおもしろいです。

▼こじま しほ『へびかんこうセンター』文渓堂、1996年

中川季枝子/山脇百合子『ぐりとぐらのかいすいよく』

 3冊目は「かいすいよく」。海にやってきた「ぐり」と「ぐら」、「うみぼうず」との交流が描かれています。この絵本は、うちの子どもも私もセリフを覚えてしまうくらい、もう何十回も読んでいますが、何回読んでもあきずに楽しめます。まさに名作。

 ところで、物語のなかに出てくる歌を、うちでは「う~み~は~広い~な~」の童謡「うみ」の節で歌っています。これがぴったり合うんですね。うちの子どもは、一時期、童謡「うみ」の歌詞をこの『ぐりとぐらのかいすいよく』の歌詞で覚えていました。

 「ぐりとぐら」シリーズは、どれも必ず歌が出てくること、それも自分なりに工夫して歌えることが、楽しみの一つですよね。こういう遊びの要素もまた、絵本の大事な記憶になるのかなと思います。

▼中川季枝子 文/山脇百合子 絵『ぐりとぐらのかいすいよく』福音館書店、1976年

中川季枝子/山脇百合子『ぐりとぐらのおおそうじ』

 2冊目は「おおそうじ」。巻末の説明によると、1977年初版発行『おひさまはらっぱ』のなかの一話「ぐりとぐらの大そうじ」に加筆修正して、福音館書店50周年記念出版として刊行したものとのこと。25年のときを経て単行本化されたわけです。

 タイトルのとおり、春をむかえての大そうじが描かれています。もちろん、ぐりとぐらですから、楽しい大そうじ。これだったら、子どもたちも大喜びでしそうなくらいです。たしか、「ぐり」と「ぐら」が「このよで いちばん すきなのは」「おりょうりすること たべること」だったわけですが、この絵本では「おそうじすること みがくこと」もこの世で好きなことと歌われています。料理する、食べる、掃除する、といった生活の基本を大事に描いているのが、「ぐりとぐら」シリーズの特色の一つかもしれませんね。

 『ぐりとぐらのおおそうじ』で描かれている部屋の様子をみても、そんなにモノが多くなく、また飾られている草花、使われている食器などからは、質素で素朴、品のよい生活ぶりがうかがえます。ファッションとか流行とか大量消費などとは無縁なライフスタイルが、それとなく、しかししっかりと、しかも魅力的に描写されている。これはとても貴重なのではないかなと思います。

▼中川季枝子 文/山脇百合子 絵『ぐりとぐらのおおそうじ』福音館書店、2002年

中川季枝子/山脇百合子『ぐりとぐらとくるりくら』

 今日は「ぐりとぐら」シリーズから3冊。久しぶりに読みたくなったそうです。この『ぐりとぐらとくるりくら』では、うさぎの「くるりくら」が登場します。うさぎの手が長くなったり雲にのったりと、魔法(?)が出てくるのですが、このあたりはシリーズのなかでも異色かもしれません。で、うちの子どもの今日の疑問は、「ぐりとぐらにはお母さんやお父さんはいないのかな?」。うさぎの「くるりくら」にはお母さんがいますが、「ぐり」と「ぐら」のお母さんやお父さんはシリーズ全体でも出てこなかったと思います。たしか「ぐり」と「ぐら」は双子だとどこかで読んだ気がしますが、お母さんもお父さんもいないのはどうしてかな? 実は大きな意味があるかもしれませんね。

▼中川季枝子 文/山脇百合子 絵『ぐりとぐらとくるりくら』福音館書店、1987年

スザンナ・グレッツ『雨の日のうちゅうせんごっこ』

 またまた『雨の日のうちゅせんごっこ』。うちの子どもは、この絵本、かなり気に入っているようです。そして一番おもしろがっているのは、やはり、くいしんぼうの「ウィリアム」。表紙と裏表紙の見返しには、名前入りで登場人物が紹介されています。この絵本には出てこないキャラクターもいるようです。

▼スザンナ・グレッツ/各務三郎 訳『雨の日のうちゅうせんごっこ』岩崎書店、1984年