月別アーカイブ: 2004年9月

久保喬/駒宮録郎『かしのきホテル』

 いろんな鳥や虫たちが泊まっている、森のなかの「かしのきホテル」。ちょっとしたことをきっかけに、泊まっているみんなが「もみじホテル」や「かばのきホテル」「くりのきホテル」に移ってしまいます。しかし、台風が来ると若い木々はとても耐えられず、結局、鳥や虫たちはどっしりとした「かしのきホテル」に戻ってくる、といった物語。「かしのきホテル」と他の木々のホテルは、常緑樹と落葉樹の対比。細くひょろっとした他のホテルと比べて、高く大きな「かしのきホテル」はなかなかりっぱ。安心感が違いますね。
▼久保喬 作/駒宮録郎 絵『かしのきホテル』フレーベル館、2002年

あべ弘士『どうぶつえんガイド』

 今日は2冊。昨日に続いて『どうぶつえんガイド』。ようやく読み終わりました。今日おもしろかったのは、アザラシ。アザラシは水に浮かんで眠ることができるのですが、眠っているうちにだんだん沈んでいき、水槽の底でそのまま10分くらい眠るとのこと。

ときどき おきゃくさんが 「しんでるよ!」と おおさわぎをする。

おかしいです。あと、動物園にいるカラスの話も驚きました。ラクダやシカにとまりその毛を抜いて巣を作る材料にしているそうです。うーむ、痛そう。ラストページはヒト。動物たちの側からヒトを見ておしまいです。毎日少しずつ読んできましたが、この絵本、驚きの事実がたくさんあり、非常におもしろかったです。自然のなかの動物の生態というより、まさに【動物園での】動物の生態が分かるわけです。「よんでたのしい! いってたのしい!」というタイトルのうたい文句のとおり、この絵本を読んで動物園に行くと、楽しさ倍増だと思います。
▼あべ弘士 作・絵/なかのまさたか デザイン『どうぶつえんガイド』福音館書店、1995

もとしたいずみ/荒井良二『すっぽんぽんのすけ』

 今日はうちの子どものリクエストにより、ラストページから逆向きに読んでいきました。当然、ページとページの間で物語がつながらないので、なんだかおかしなことになっていきます。でも、うちの子どもは、けっこうおもしろがっていました。こういう遊びもたまにはいいかも。物体としての本のつくりを意識する、あるいは一直線に一方向に進む物語を相対化する、なんて意味もあったりして……まあ、そんな大層なことではないですね。読んでいて気が付いたのですが、この絵本、画面にいろいろおもしろい描き込みがあります。ビルの屋上でシェーをしている人とかパンダとか。イヌの忍者の刀がホネのかたちになっているのも、おかしいです。
▼もとしたいずみ 作/荒井良二 絵『すっぽんぽんのすけ』すずき出版、1999年

あべ弘士『どうぶつえんガイド』

 今日は2冊。昨日に続いて『どうぶつえんガイド』。少しずつ読んでいます。今日、1番驚いたのは、レッサーパンダ。レッサーパンダは食べ物を、好きなものから順番に、しかもそれだけを全部、そのつど食べていくそうです。つまり、最初に1番好きな笹の葉を全部食べ、次に2番目に好きなリンゴを全部食べ、そして3番目に好きなふかし芋を全部食べ……といったふうです。なんだか子どもみたいな食べ方ですね。で、食べたらすぐにうんちがしたくなり、なんと、うんちも食べた順に出てくる。最初に笹うんち、次にリンゴうんち、そして芋うんち……というわけです。ここは人間の子どもとは違う(当たり前!)。それにしても、すごいですね。この絵本、毎日楽しんでいますが、明日でたぶん読み終わりそうです。
▼あべ弘士 作・絵/なかのまさたか デザイン『どうぶつえんガイド』福音館書店、1995

あべ弘士『どうぶつえんガイド』

 昨日に続いて『どうぶつえんガイド』。今日は、サルの赤ちゃんのおっぱいの飲み方にびっくり。だっこ飲み、おんぶ飲み、肩越し飲み、逆さ飲み、ねんね飲み……サルのお母さんも大変です。あと、へぇーっと思ったのは、スカンクの臭いがおならではないということ。服についたら洗濯しても取れず、お風呂に入っても1週間は臭いが抜けないそうです。明日もまた続きを読みます。
▼あべ弘士 作・絵/なかのまさたか デザイン『どうぶつえんガイド』福音館書店、1995

ジュディ・バレット/ロン・バレット『くもり ときどき ミートボール』

 今日は2冊。「おじいちゃん」が話してくれた「カミカミゴックン」という町の不思議な物語。なんと「カミカミゴックン」では、日に3度、朝ご飯と昼ご飯と夕ご飯のときに食べ物が空から降ってくるのです。住人たちは毎食、空から降ってきたものを食べます。スープやジュースの雨、マッシュド・ポテトやグリーン・ピースの雪、ハンバーガーの嵐……実に奇想天外なお話。とともに、何が降ってくるかは天気次第なので天気予報では食べ物予想が放送され、外出時にはみんな食器一式を持ち歩くとか、町の衛生局が大忙しであったりとか、なかなかリアルに説明されています。画面は細密な銅版画(?)で、西の山の向こうに現れるゼリーや学校をすっぽりと包むホットケーキ(メイプルシロップ付き)など、驚きの描写。原書の刊行は1978年。
▼ジュディ・バレット 文/ロン・バレット 絵/青山南 訳『くもり ときどき ミートボール』ほるぷ出版、2004年

もとしたいずみ/荒井良二『すっぽんぽんのすけ』

 「すっぽんぽんのすけ」シリーズの第1作。見た目はふつうの男の子が、真っ裸の「すっぽんぽんのすけ」になって、イヌ(?)忍者の悪者と戦います。これはおもしろい。「すっぽんぽんのすけ」になると、なぜかアタマにちょんまげが生えてきますが、姿はまさに「すっぽんぽん」で、なんだか気持ち良さそう。まちの人びとは当然のように「すっぽんぽんのすけ」に接していて、ジュースをくれたりします。忍者との戦いも、戦いとはいっても、実におかしな技。うちの子どもにも大受けでした。一番おもしろがっていたのは、「すっぽんぽんのすけ」がものすごい速さで走るところ。「はやすぎ!」。表紙も笑えます。イヌとネコの視線の先にあるのは、たぶんアレだな(^^;)。それにしても、「すっぽんぽんのすけ」、立ち姿がりりしく、いさぎよいです。この絵本、おすすめです。
▼もとしたいずみ 作/荒井良二 絵『すっぽんぽんのすけ』すずき出版、1999年

今江祥智/長新太『よる わたしのおともだち』

 以前、読んだ『なんだったかな』と同じく「黒の絵本」三部作の1冊。早寝早起きの「ひろこちゃん」は夜を知りません。そこで、「にいちゃん」や「かあさん」や「とうさん」や「なかよしの まことくん」に「よるって なあに?」と聞くのですが、みんな答えがバラバラなので、お昼寝をしっかりとって自分で確かめます。「にいちゃん」の答えは割と科学的、「かあさん」と「とうさん」の答えはファンタジー、「まことくん」の答えは自分の体感、どれも「ひろこちゃん」にとってはあまり納得がいかないわけですね。とくに「かあさん」と「とうさん」の答えが否定されているのは、おもしろいと思います。子ども向けの(ように見える)空想的なお話では実は子どもの好奇心を満たすことはできない、と。ちょっと考えすぎかもしれませんが……。それはともかく、使われている黒がとても美しい。まさに漆黒。
▼今江祥智 文/長新太 絵『よる わたしのおともだち』BL出版、2003年

あべ弘士『どうぶつえんガイド』

 今日は3冊。この絵本は、月刊科学絵本『かがくのとも』の『どうぶつえんガイド』(91年4月号)、『フクロウのよるは おおいそがし──どうぶつえんガイド』(92年5月号)、『カメは おうちを しょっている──どうぶつえんガイド』(93年11月号)の3つをまとめ、さらに追加して単行本化したもの。動物園でのたくさんの動物たちの生態がそれぞれ見開き2ページに描かれています。作者のあべさんは旭川市旭山動物園に勤務されていたとのこと。ページのたくさんの書き込みを読んでいくと、動物の生態について、へぇーっと驚きの事実を知ることができます。うちの子どもも興味しんしん。一番びっくりしたのは、フラミンゴのピンク色の話。あと、トラやコウモリなど、おしっこネタもおもしろい。文書の量がだいぶ多いので、今日は途中まで。明日また読みます。この絵本、おすすめです。
▼あべ弘士 作・絵/なかのまさたか デザイン『どうぶつえんガイド』福音館書店、1995