今日の1冊目はまたまた『へびかんこうセンター』。この絵本では、表紙の見返しからはじまって、本文、裏表紙の見返し、裏表紙にいたるまで、ずーっと物語が続くように描かれています。物語のラストが実は裏表紙なんですね。またカバーにも遊びの要素があり、それもおもしろいです。
▼こじま しほ『へびかんこうセンター』文渓堂、1996年
今日の1冊目はまたまた『へびかんこうセンター』。この絵本では、表紙の見返しからはじまって、本文、裏表紙の見返し、裏表紙にいたるまで、ずーっと物語が続くように描かれています。物語のラストが実は裏表紙なんですね。またカバーにも遊びの要素があり、それもおもしろいです。
▼こじま しほ『へびかんこうセンター』文渓堂、1996年
3冊目は「かいすいよく」。海にやってきた「ぐり」と「ぐら」、「うみぼうず」との交流が描かれています。この絵本は、うちの子どもも私もセリフを覚えてしまうくらい、もう何十回も読んでいますが、何回読んでもあきずに楽しめます。まさに名作。
ところで、物語のなかに出てくる歌を、うちでは「う~み~は~広い~な~」の童謡「うみ」の節で歌っています。これがぴったり合うんですね。うちの子どもは、一時期、童謡「うみ」の歌詞をこの『ぐりとぐらのかいすいよく』の歌詞で覚えていました。
「ぐりとぐら」シリーズは、どれも必ず歌が出てくること、それも自分なりに工夫して歌えることが、楽しみの一つですよね。こういう遊びの要素もまた、絵本の大事な記憶になるのかなと思います。
▼中川季枝子 文/山脇百合子 絵『ぐりとぐらのかいすいよく』福音館書店、1976年
2冊目は「おおそうじ」。巻末の説明によると、1977年初版発行『おひさまはらっぱ』のなかの一話「ぐりとぐらの大そうじ」に加筆修正して、福音館書店50周年記念出版として刊行したものとのこと。25年のときを経て単行本化されたわけです。
タイトルのとおり、春をむかえての大そうじが描かれています。もちろん、ぐりとぐらですから、楽しい大そうじ。これだったら、子どもたちも大喜びでしそうなくらいです。たしか、「ぐり」と「ぐら」が「このよで いちばん すきなのは」「おりょうりすること たべること」だったわけですが、この絵本では「おそうじすること みがくこと」もこの世で好きなことと歌われています。料理する、食べる、掃除する、といった生活の基本を大事に描いているのが、「ぐりとぐら」シリーズの特色の一つかもしれませんね。
『ぐりとぐらのおおそうじ』で描かれている部屋の様子をみても、そんなにモノが多くなく、また飾られている草花、使われている食器などからは、質素で素朴、品のよい生活ぶりがうかがえます。ファッションとか流行とか大量消費などとは無縁なライフスタイルが、それとなく、しかししっかりと、しかも魅力的に描写されている。これはとても貴重なのではないかなと思います。
▼中川季枝子 文/山脇百合子 絵『ぐりとぐらのおおそうじ』福音館書店、2002年
今日は「ぐりとぐら」シリーズから3冊。久しぶりに読みたくなったそうです。この『ぐりとぐらとくるりくら』では、うさぎの「くるりくら」が登場します。うさぎの手が長くなったり雲にのったりと、魔法(?)が出てくるのですが、このあたりはシリーズのなかでも異色かもしれません。で、うちの子どもの今日の疑問は、「ぐりとぐらにはお母さんやお父さんはいないのかな?」。うさぎの「くるりくら」にはお母さんがいますが、「ぐり」と「ぐら」のお母さんやお父さんはシリーズ全体でも出てこなかったと思います。たしか「ぐり」と「ぐら」は双子だとどこかで読んだ気がしますが、お母さんもお父さんもいないのはどうしてかな? 実は大きな意味があるかもしれませんね。
▼中川季枝子 文/山脇百合子 絵『ぐりとぐらとくるりくら』福音館書店、1987年
またまた『雨の日のうちゅせんごっこ』。うちの子どもは、この絵本、かなり気に入っているようです。そして一番おもしろがっているのは、やはり、くいしんぼうの「ウィリアム」。表紙と裏表紙の見返しには、名前入りで登場人物が紹介されています。この絵本には出てこないキャラクターもいるようです。
▼スザンナ・グレッツ/各務三郎 訳『雨の日のうちゅうせんごっこ』岩崎書店、1984年
「こんなことってあるかしら?」と言ってしまうようなシュールでナンセンスな画面の連続。うちの子どもに一番うけていたのは消防自動車のお話。私が笑ってしまったのは小さいタクシーの画面でした。この絵本、実は表紙が謎なんですね。文や説明は付いていません。ちょっと恐いような、おかしいような、不思議な絵です。
▼長新太『こんなことってあるかしら?』クレヨンハウス、1993年
タグボートの「とーとー」がはじめて仕事をする物語。タグボートの紹介や進水式もあり、他の船も幾つか登場します。巨大な貨物船を一生懸命引っ張る「とーとー」の姿がよいです。
▼小風さち ぶん/山本忠敬 え『ちからもちのタグボート とーとー』「こどものとも」1997年3月号(通巻492号)、福音館書店、1997年
この絵本は作者の井川さんのデビュー作です。図書館にいた主人公の「ぼく」が子犬の「ポチポチ」に連れられて動物の図書館に行く物語。たくさんの動物たちがそれぞれ楽しく本を読んでいる画面はにぎやかでおもしろいです。動物たちは人間に変身するのですが、もともと人間の図書館の登場人物と動物の図書館の動物は対応しているんですね。子どもに教えられました。子どもはよく見ています。今日の疑問は、「こうもりはどんな人間に変身したんだろう?」。うーん、たしかに謎。
▼井川ゆり子『ポチポチのとしょかん』文溪堂、2003年
今日も子どもといっしょに「どこどこどこ!?」と探してみました。お寿司屋の「カッパちゃん」の「えび」、ついに発見! それから、「どんぐりぼうや」も全部、見つけました。けっこう、うれしいです(^^;)。でも、まだ見つかっていないものがあります。難しいです。
それはともかく、よく見ると、絵のなかのポスターとか広告の文が笑えます。あと、巻末の作者紹介文は長谷川さん自身が物語風に書かれていて、これもおもしろい。
▼長谷川義史『どこどこどこ いってきまーす』ひかりのくに、2003年
またまた『ありがたいこってす!』。今日は月の描写に注目。子どもに言われて気が付いたのですが、主人公の家のなかがめちゃくちゃになっている画面では、三日月が家の窓を突き破っています。それによくみると、他の画面にもさりげなく月が描き込まれ、その満ち欠けが時間の流れを表しているようです。今日の疑問は、ラストシーンでラビはなぜあんな顔をしているのかな、ということ。うーん、たしかに「やれやれ」っていうような表情です。
▼マーゴット・ツェマック/わたなべ しげお 訳『ありがたいこってす!』童話館、1994年