月別アーカイブ: 2004年9月

荒井良二『そのつもり』

 今回、うちの子どもは、リスはどうして「何もしないでこのままがいいと思います」と言ったのかなと考えていました。動物たちの提案を聞いてもリスは「そのつもり」にならなかったんじゃないかというのが、うちの子どもの意見。うーむ、どうかな。みんなが「そのつもり」になっている画面にはリスもいたような気がするけど……。この会議は何かを決めるためではなく「そのつもり」になることが目的なのでは?というのがうちの妻の意見。うーむ、そうかも……。いや、いろいろ考えてしまう絵本です。
▼荒井良二『そのつもり』講談社、1997年

アネット・チゾン、タラス・テーラー『まほうにかかった動物たち』

 今日は3冊。うちの子どもは、この絵本、だいぶ気に入ったようです。やはり、ページのめくりと色彩のダイナミズムが秀逸。今回はイヌの「アンジェロ」が船酔いで気持ちが悪くなるところに注目していました。うちの子どもも船酔いはまだ知らないからかな。
▼アネット・チゾン、タラス・テーラー/竹林亜紀 訳『まほうにかかった動物たち』評論社、1984年

たむらしげる『ネズミのヒコーキ』

 おもちゃのヒコーキを見つけた「ネズミ」がそれに乗って飛んでいくお話。ぜんまい式のヒコーキなので、途中で止まって海に落ちたりもしますが、どんどん上昇していきます。簡単なコマ割りやフキダシもあって、マンガのようなところがありますが、見開き2ページをいっぱいに使ったページが随所に入っており、これが印象的。ヒコーキの気持ちよい飛翔を実感できます。
 ところで、この絵本は、「あかねピクチャーブックス」シリーズの1冊。奥付に説明があります。

あかねピクチャーブックスは、作家の方々に色版ごとに絵を描いていただき、それを重ねて印刷する特色別版刷りという印刷の方法をとっています。

詳しいことはよく分かりませんが、これは、けっこう手間のかかる方法なんだろうなと思います。とはいえ、たしかにこの絵本は、鮮やかでくっきりとした色合いで、きれいです。
▼たむらしげる『ネズミのヒコーキ』あかね書房、1994年

佐々木マキ『ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします』

 今日は2冊。今回、うちの子どもは「ムッシュ・ムニエル」の魔法に注目していました。よく見ると、まちにやってきた「ムッシュ・ムニエル」のうしろでは、ピーナッツが鳥(?)になって飛んでいますし、通りの向こうのクルマもちょっと変なかたち。他にも魔法の描写が描き込まれているかもしれません。
▼佐々木マキ『ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします』絵本館、2000年

八木田宜子/長新太『くいしんぼ らいおん』

 今日は1冊。「らいおん えほん」シリーズの第4巻。誕生日がいつだか分からない「らいおん」が「ぼく」といっしょに誕生日のお祝いをするというお話。友だちもやってきて、プレゼントにケーキ、楽しい雰囲気です。とくにケーキがすごい。巨大な三段ケーキで、「らいおん」と「ぼく」がかぶりつき顔も手もクリームで真っ白にしている画面は、なんだか幸せそう。
 ところで、「らいおん」はある意味、理想の友だちなのかもしれないと思いました。大きく力強くて頼りがいがあり、しかも茶目っ気があって、子ども以上に子どもっぽく、なおかつ少し抜けているところもある……。というか、子どもにとっては、親にこの「らいおん」のような部分があるとよいのかなとも思います。まあ、いつも「らいおん」というわけにはいかないわけですが。あるいは、親に限らず、「らいおん」のように、子どもにとって安心できて、しかも子どもが自分を解放できる、そんな人が身近にいることが大事なのかもしれません。ラストページが印象的。ニコニコした「らいおん」に抱っこされている「ぼく」、実にうれしそうな顔です。
▼八木田宜子 文/長新太 絵『くいしんぼ らいおん』徳間書店、2003年

もとしたいづみ/荒井良二『すっぽんぽんのすけ せんとうへいくのまき』

 今日は1冊。「すっぽんぽんのすけ」シリーズの第2弾。今回の舞台は銭湯、動物たちをいじめていたイヌ(?)の悪者忍者たちをやっつけます。ユーモラスな描写で、このシリーズはうちの子どもも大好き。表紙の見返しには、なんと「すっぽんぽんのすけのテーマソング」まで書かれていました。作者のもとしたさんが作詞・作曲して譜面まで付いています。私は譜面が読めないので妻に歌ってもらったのですが、これがまた実に陽気で能天気な歌。家族みんなで大受けしました。あと、ラストページ、銭湯の湯船の横の看板がおかしいです。

うつくしい看板は
荒井良二屋
すこし時間がかかります

「すこし時間が……」というのがニヤリと笑えます。こういう遊びの要素も楽しいです。
▼もとしたいづみ 作/荒井良二 絵『すっぽんぽんのすけ せんとうへいくのまき』鈴木出版、2002年

佐々木マキ『ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします』

 「ムッシュ・ムニエル」は魔術師のヤギ。子どもを一人さらって弟子にしようとするのですが……という物語。主人公「ムッシュ・ムニエル」は、外見が服を着たヤギそのまま(りっぱな角!)で、人間のまちをすたすた歩き、しかもホテルに部屋もとります。とぼけた様子がよいです。男の子をさらう魔法もユニーク。というか、どうしてこれでうまくいくのかよく分かりません(^^;)。冷静に考えると、けっこうこわい話なのかもしれませんが、おそろしいことはまったくなく、物語も描写もニコリと微笑が合っています。あるいは、魔術師にさらわれ弟子になって諸国をめぐるというのは、子どもにとっては(いや大人にとっても)けっこう魅力的かも。
▼佐々木マキ『ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします』絵本館、2000年

ジャック・デュケノワ『おばけの地下室たんけん』

 今日は2冊。「アンリ」「リュシー」「ジョルジュ」「エドワール」のなかよしおばけがトランプ遊びをしていると、夜中の12時に地下室から「どすん!「どすん!」「どすん!」とすごい音が聞こえてきます。そこで、みんなでこわごわ地下室に下りていくと……という物語。おばけなのに暗闇をこわがるのがおかしい。食べたものによって体が変わってしまうというこのシリーズの趣向もちゃんと出てきます。で、一番の注目はやはり「グリグリおばちゃん」。パンクです。原書の刊行は1996年。
▼ジャック・デュケノワ/大澤晶 訳『おばけの地下室たんけん』ほるぷ出版、1999年

車光照ほか/松岡享子『いつも いっしょ どうぶつとくらすアジアのこどもたち』

 アジアの子どもたちと動物とのふれあいを扱った写真絵本。ほほえましい写真が多く、読んでいるとき、うちの子どももニコニコしていました。今日とくにおもしろがっていたのは、水牛の背中で算数の勉強をしている写真。付けられた文章には、動物たちの声を代弁したものもあり、それもおもしろいようです。
▼車光照ほか 写真/松岡享子 文『いつも いっしょ どうぶつとくらすアジアのこどもたち』「こどものとも」1994年2月号(通巻455号)、福音館書店、1994年

井口真吾『バンロッホのはちみつ』

 今日は2冊。この絵本の主人公「バンロッホ」は、テディベアなので、もちろん表情はありません。でも、それがまた独特のおかしさを生んでいます。クスクス笑える感じです。今回うちの子どもは、ラストページの「かたつむり」に注目していました。よく見ると目も口も鼻もなんだかおかしいと言っていました。たしかに、ちょっと普通の「かたつむり」とは違っています。
▼井口真吾『バンロッホのはちみつ』学研、2001年