おもちゃのヒコーキを見つけた「ネズミ」がそれに乗って飛んでいくお話。ぜんまい式のヒコーキなので、途中で止まって海に落ちたりもしますが、どんどん上昇していきます。簡単なコマ割りやフキダシもあって、マンガのようなところがありますが、見開き2ページをいっぱいに使ったページが随所に入っており、これが印象的。ヒコーキの気持ちよい飛翔を実感できます。
ところで、この絵本は、「あかねピクチャーブックス」シリーズの1冊。奥付に説明があります。
あかねピクチャーブックスは、作家の方々に色版ごとに絵を描いていただき、それを重ねて印刷する特色別版刷りという印刷の方法をとっています。
詳しいことはよく分かりませんが、これは、けっこう手間のかかる方法なんだろうなと思います。とはいえ、たしかにこの絵本は、鮮やかでくっきりとした色合いで、きれいです。
▼たむらしげる『ネズミのヒコーキ』あかね書房、1994年