秋山あゆ子『くものすおやぶん とりものちょう』

 今日は3冊。この絵本は、虫のまちを舞台にした時代劇。「くものすおやぶん こと おにぐもの あみぞう」と同じくクモの「はえとりの ぴょんきち」が、「かくればね さんきょうだい」という蛾の盗人を相手に大捕物帖です。たくさんの虫たちが江戸時代の格好をして登場します。「かくればね さんきょうだい」にねらわれるのは、「あまい ものなら ありがたや」というアリのお菓子屋さん。設定がおもしろいです。建物の描き方も、なんとなく昔風な構図。うちの子どもによると、「はえとりの ぴょんきち」は、ぽよんとしているところが自分に似ているとか。たしかに、目が大きくて、かわいいです(親バカ^^;)。
▼秋山あゆ子『くものすおやぶん とりものちょう』「こどものとも」2003年2月号(通巻563号)、福音館書店、2003年

長谷川義史『どこどこどこ いってみたーい』

 家族みんなで探して、だいぶ見つけました。さすがに第2弾ともなると、探すのにも慣れてきますね。うちの子どもも自分でどんどん見つけています。とはいえ、まだ分からないものがけっこう残っています。今日、笑ったのは、学校の画面。教室のうしろの壁には、こんな標語が貼ってありました。

今月の目標
さいごまで あきらめずに さがそう

▼長谷川義史『どこどこどこ いってみたーい』ひかりのくに、2004年

小長谷清実/ペテル・ウフナール/ふりやなな『びっくり ぎょうてん』

 今日は2冊。月曜日から日曜日まで、草原にいろいろ不思議な出来事が起きるという物語。空からテーブルやイスが降ってきたり、テーブルに大きな花瓶が生えてきたり。最後の日曜日にはごちそうが次々に空からテーブルに降ってきて、みんなでいっしょにお食事会になります。どの画面にも小さく、ネズミとハリネズミとモグラが書き込まれていて、それが全体のアクセント。うちの子どもは、日曜日に集まってくるお客さんに注目していました。言われて気付いたのですが、よくみると、ふつうの動物たちに混じって、あやしい怪物たちがいっぱいいます。
▼小長谷清実 文/ペテル・ウフナール と ふりやなな 絵『びっくり ぎょうてん』「こどものとも年少版」2004年2月号(通巻323号)、福音館書店、2004年

スズキコージ『みんなあつまれ』

 これはおもしろい! スズキコージさんのコラージュ風写真絵本。写真提供は小川忠博さんという方で、たぶん小川さんの写した写真をスズキコージさんが他の色紙と合わせて切り貼りして作ったものと思います。不思議なかたちの焼き物や人形、お面や道具がたくさん出てきて、これもスズキコージさん制作でしょう。驚いたのは、スズキコージさん自身が写真で登場するところ。魔女のようなファッションで、高い鼻を付けて化粧をし(でもヒゲがりっぱ)、長いスカートに胸パッドまで入れています。実にあやしい。で、魔女(?)のスズキコージさんが、男の子と女の子の2人といっしょに歌って踊るのです。まさにカーニバル。これはインパクトがあります。

ヘイ、うたおうぜい!
アンバラベッテ バラミイヤ
ウンツァッツァ ウンツァッツァ

うちの子どもも、この絵本はお気に入りです。おすすめです。
▼スズキコージ『みんなあつまれ』「こどものとも年少版」2003年9月号(通巻318号)、福音館書店、2003年

得田之久『ちがうの どれかな』

 いろんな昆虫のなかから違いのあるものを当てるという絵本。たとえば「からだを まるくできる むし」「とべない むし」「おならをする むし」「あたまを ぐるりと まわせる むし」など。どの虫もかなり写実的に描写されていて、図鑑のような趣です。
▼得田之久『ちがうの どれかな』「年少版こどものとも」1998年4月号(通巻253号)、福音館書店、1998年

たむらしげる『かたつむりタクシー』

 今日は3冊。虫(?)の父子が、かたつむりのタクシーに乗って、おばあちゃんの家に出かけるという物語。かたつむりの殻が乗客スペースになっています。ガソリンスタンドならぬジューススタンドがあったり、また虫たちの家や建物は人間のいろんな道具や容器を活用していて、おもしろいです。
▼たむらしげる『かたつむりタクシー』「年少版こどものとも」1998年7月号(通巻256号)、福音館書店、1998年

秋野和子/秋野亥左牟『たこなんかじゃないよ』

 またまた『たこなんかじゃないよ』。この絵本もうちの子どものお気に入りです。どうやら、おおうつぼ(主人公のたこの足を1本食べてしまいます)に関心があるようで、この前、水族館に行ったら、うつぼがたくさんいる水槽にかじりついていました。とくに、うつぼの子どもがおもしろかったようです。
▼秋野和子 文/秋野亥左牟 絵『たこなんかじゃないよ』こどものとも1995年7月号(通巻472号)、福音館書店、1995年

佐々木マキ『まちには いろんな かおが いて』

 久しぶりに『まちには いろんな かおが いて』。どうやら、この絵本は佐々木さんの唯一の写真絵本だそうです。佐々木さんは昭和30年代のカメラをコレクションされているとか。思ったのですが、まちなかのいろんな「かお」を見つけるというモチーフは、赤瀬川原平さんたちの路上観察学とも相通じるものがありますね。もしかすると、佐々木マキさんも関係者だったりするのかなと思いました。
▼佐々木マキ『まちには いろんな かおが いて』「こどものとも」1997年9月号(通巻498号)、福音館書店、1997年

岸田衿子/にしむら あつこ『ぐぎがさんとふへほさん』

 今日は3冊。この絵本はうちの子どものお気に入りの一冊。なかよしの「ぐぎがさん」と「ふへほさん」、2人の家で起こる「事件」といっしょに海釣りに行く様子が描かれています。「ぐぎがさん」は重くて硬く、「ふへほさん」は軽くて柔らかい、その対比がいろんなエピソードで語られていてユーモラス。にしむらさんの絵は、「ゆうびんやさんのホネホネさん」シリーズと比べると、だいぶ色が増えています。とはいえ、太い輪郭線と彩色されていない白い空間のおもしろさは、にしむらさんならではと思います。この色使いは、なんだかお絵かき心をくすぐられるというか、色がついていない部分に自分でぬり絵をしたくなってくるかも。
▼岸田衿子 作/にしむら あつこ 絵『ぐぎがさんとふへほさん』「こどものとも年中向き」2003年5月号(通巻206号)、福音館書店、2003年

よしだ きみまろ『しんぶんしでつくろう』

 久しぶりに『しんぶんしでつくろう』。この絵本では新聞紙を使った遊びがいろいろ紹介されているのですが、そのなかに、新聞紙で巨大迷路を作るというのがありました。どうも、うちの子どもは、この新聞紙迷路を一番おもしろがっているようです。うちの狭い家では迷路はちょっと難しいなあ。
▼よしだ きみまろ『しんぶんしでつくろう』福音館書店、1990年