「絵本」カテゴリーアーカイブ

たむらしげる『かたつむりタクシー』

 今日は3冊。虫(?)の父子が、かたつむりのタクシーに乗って、おばあちゃんの家に出かけるという物語。かたつむりの殻が乗客スペースになっています。ガソリンスタンドならぬジューススタンドがあったり、また虫たちの家や建物は人間のいろんな道具や容器を活用していて、おもしろいです。
▼たむらしげる『かたつむりタクシー』「年少版こどものとも」1998年7月号(通巻256号)、福音館書店、1998年

秋野和子/秋野亥左牟『たこなんかじゃないよ』

 またまた『たこなんかじゃないよ』。この絵本もうちの子どものお気に入りです。どうやら、おおうつぼ(主人公のたこの足を1本食べてしまいます)に関心があるようで、この前、水族館に行ったら、うつぼがたくさんいる水槽にかじりついていました。とくに、うつぼの子どもがおもしろかったようです。
▼秋野和子 文/秋野亥左牟 絵『たこなんかじゃないよ』こどものとも1995年7月号(通巻472号)、福音館書店、1995年

佐々木マキ『まちには いろんな かおが いて』

 久しぶりに『まちには いろんな かおが いて』。どうやら、この絵本は佐々木さんの唯一の写真絵本だそうです。佐々木さんは昭和30年代のカメラをコレクションされているとか。思ったのですが、まちなかのいろんな「かお」を見つけるというモチーフは、赤瀬川原平さんたちの路上観察学とも相通じるものがありますね。もしかすると、佐々木マキさんも関係者だったりするのかなと思いました。
▼佐々木マキ『まちには いろんな かおが いて』「こどものとも」1997年9月号(通巻498号)、福音館書店、1997年

岸田衿子/にしむら あつこ『ぐぎがさんとふへほさん』

 今日は3冊。この絵本はうちの子どものお気に入りの一冊。なかよしの「ぐぎがさん」と「ふへほさん」、2人の家で起こる「事件」といっしょに海釣りに行く様子が描かれています。「ぐぎがさん」は重くて硬く、「ふへほさん」は軽くて柔らかい、その対比がいろんなエピソードで語られていてユーモラス。にしむらさんの絵は、「ゆうびんやさんのホネホネさん」シリーズと比べると、だいぶ色が増えています。とはいえ、太い輪郭線と彩色されていない白い空間のおもしろさは、にしむらさんならではと思います。この色使いは、なんだかお絵かき心をくすぐられるというか、色がついていない部分に自分でぬり絵をしたくなってくるかも。
▼岸田衿子 作/にしむら あつこ 絵『ぐぎがさんとふへほさん』「こどものとも年中向き」2003年5月号(通巻206号)、福音館書店、2003年

よしだ きみまろ『しんぶんしでつくろう』

 久しぶりに『しんぶんしでつくろう』。この絵本では新聞紙を使った遊びがいろいろ紹介されているのですが、そのなかに、新聞紙で巨大迷路を作るというのがありました。どうも、うちの子どもは、この新聞紙迷路を一番おもしろがっているようです。うちの狭い家では迷路はちょっと難しいなあ。
▼よしだ きみまろ『しんぶんしでつくろう』福音館書店、1990年

二宮由紀子/矢島秀之『けしごむくん』

 この絵本、よく見ると、絵が切り貼りでコラージュされているところがあります。英字新聞(?)の切り抜きやメンディングテープのようなものが貼り付けられていました。これがまた、画面のおもしろみを生んでいると思います。
▼二宮由紀子 作/矢島秀之 絵『けしごむくん』ひかりのくに、2002年

長谷川義史『どこどこどこ いってみたーい』

 長谷川義史さんの「えさがし絵本」第2弾。今回は、恐竜や海賊、悪代官などを絵のなかから探します。

さあ いろんなひとが いってみたーい ばしょに、
いってみたーい じだいに いろんなものを さがしに いくぞ。

ユニークな描写は前作と変わらず、家族みんなで「どこどこどこー」「みつけた!」と楽しめます。なんとなく前作よりも書き込みの量が若干、減ったような……もしかして長谷川さんもさすがに疲れたのかもしれません。
▼長谷川義史『どこどこどこ いってみたーい』ひかりのくに、2004年

チョン・ハソプ/ハン・ビョンホ『ヘチとかいぶつ』

 この絵本の主人公「ヘチ」は太陽の番をする神なので、「ヘチ」と怪物四兄弟の戦いは太陽の奪い合いになっています。鎖でしばられる太陽、四つに切り分けられた太陽、一つにまるめられて投げつけられたり、「ヘチ」の口のなかに入ったりはき出されたり……。いや、よく考えると、この世の終わりのような戦いですね。だからか、この絵本には人間はまったく登場せず、神と怪物の激しい戦いが続きます。

 とはいえ、読んでいて恐ろしいということはまったくなく、「ヘチ」も怪物四兄弟もなんとなくユーモラスなところがあって、おもしろい絵本です。

▼チョン・ハソプ 文/ハン・ビョンホ 絵/おおたけ きよみ 訳『ヘチとかいぶつ』アートン、2004年

石津ちひろ/藤枝リュウジ『ぞうからかうぞ』

 タイトルのように、上から読んでも下から読んでも同じ文章になる回文を扱った言葉遊び絵本。単語の切れ目が分からなくなったりしますが、意味というより音そのものが楽しいです。「きがはえたえはがき」(木が生えた絵はがき)とか「にじからかじに」(虹から火事に)とか、なかなかシュール。うちの子どもにうけていたのは、「がすでたぶたですか」(ガス出た豚ですか)と「におうおに」(臭う鬼)。どちらも臭そうですね。
▼石津ちひろ 文/藤枝リュウジ 絵『ぞうからかうぞ』リブロポート、1992年

にしかわおさむ『しろくまのペーター』

 今日は3冊。この絵本は、白熊の子ども「ペーター」の南の国への旅行を描いたもの。はじめは氷の舟、途中からは大きな貨物船に助けられて、船員たちといっしょに南の国へ向かいます。「ペーター」が南の国にあこがれたきっかけは、ヘリコプターから落ちてきた絵はがき。ちと設定に無理があるような……。とはいえ、「ペーター」と船員たちの交流もほほえましく、楽しい絵本です。
▼にしかわおさむ『しろくまのペーター』教育画劇、2003年