こどものとも50周年記念ブログ、今回は1957年度刊行の12冊の紹介です。なかでも注目は長新太さんの絵本デビュー作、がんばれ さるの さらんくん。画像は表紙しか見られませんが、当時の「こどものとも」のラインナップと比べると、かなり異色かも。写実的でもなければメルヘン調でもなく、省略と誇張が効いていて、独特のラディカルさを感じます。2006年1月に復刊予定とのことですが、今度、図書館に行ったとき「こどものとも傑作集」版がないかどうか探してみようと思います。ぜひ読んでみたいです。
当時の「ことものとも」のなかで長さんの絵が個性的であることに関わると思うのですが、鳥越信さんのエッセイ、「こどものとも」創刊のころもたいへん興味深く読みました。
またもやはじめて知ったのですが、鳥越さんは、岩波書店編集部で絵本シリーズ「岩波の子どもの本」や「岩波少年文庫」を担当され、また岩波書店退職後も、絵本と児童文学の世界でいろんな取り組みを続けてこられた方だそうです。
それで、今回のエッセイで鳥越さんは、「こどものとも」が創刊されたときの印象を記されています。とてもおもしろいと思ったのは、「こどものとも」の一冊一作主義に感動すると同時にかなり失望された点。一つは絵が白い部分のないべったりと描かれたものであったことで、もう一つは名作の再話・翻案絵本が含まれていたことです。
たしかに、サイトに掲載されている「こどものとも」の表紙画像を見直してみると、たいてい紙面全体に彩色されており、白い空間を生かしたものはあまり見あたりません。描き方や筆遣いの違いは当然でしょうが、白い空間の扱いもまた、その後の絵本との大きな違いと言えそうです。いまの絵本からすると、どことなく違和感があり、その理由の一つが、空間と色のつかみ方なのかなと思います。
しかしまあ、サイトには表紙画像しか載っていないので、本文では違うものがあるかもしれませんね。鳥越さんも創刊号の「ビップとちょうちょう」について書かれているわけですし、いいかげんなことは言えません。
ただ、当然のことではありますが、絵本の表現が、歴史的にいろんな試行錯誤をへて、広げられ深められてきたことは確かかと思います。その一つの表れが、鳥越さんが指摘されている、紙面の白い部分の扱いではないかなあと考えました。
それはともかく、鳥越さんの今回のエッセイは割と辛口。「50周年おめでとう」とお祝いするのではなく、間違っていたと思われる点も率直に指摘する(しかも、ご自身が担当された「岩波の子どもの本」の誤りも同時にきちんと書く)。これはなかなかすごいことではないかと思います。そして、そのエッセイを掲載する福音館書店もすばらしいなと思いました。
「絵本を知る」カテゴリーアーカイブ
長新太さん逝去
先の記事、絵本を知る: こどものとも50周年記念ブログがスタートの下書きを書いているときに、長新太さんの逝去を知りました。
死を前にして何を言っても言葉足らずにしかなりませんが、子どもと一緒に長さんの絵本を読む時間が持てることをあらためて幸福に感じ、また感謝したいと思います。今はただただ、ご冥福をお祈りいたします。
こどものとも50周年記念ブログがスタート
先月から楽しみにしていた、福音館書店の月刊物語絵本「こどものとも」の創刊50周年記念ウェブログがスタートしました。こどものとも50周年記念ブログです。
ウェブログのよくあるパターンとは違って、トップページの記事リストは時系列ではなく、カテゴリー別になっているようです。もちろん、コメントもトラックバックもOKみたいです。
初回は、1956年(昭和31年)の創刊号から1年分のバックナンバー12冊の紹介、1956年度の社会の出来事や世相を記した「そのころあったこと」、そして、エッセイは社会福祉法人井の頭保育園の創始者である福知トシさん。
バックナンバー12冊を見てみると、 ぞうのたまごの たまごやきがあります。なんと長新太さんが絵を描かれたものよりかなり以前に、別の方の絵で刊行されていたんですね。長さんの絵とはだいぶ趣が違います。
また、当時の「こどものとも」には、 マッチうりのしょうじょといった名作のダイジェストも入っていたんですね。はじめて知りました。
エッセイでは、福知トシさんが、「こどものとも」創刊号『ビップとちょうちょう』が保育園に届いたときのことを記されています。私は福知さんのことをこれまで全く知らなかったのですが、エッセイからリンクされているプロフィール、がんばる人 第30回 福知 トシを読むと、戦後の保育園作りにたいへんな努力をされた方でした。このプロフィールの文章も実に印象深く、ぜひ一読をおすすめします。
ところで、今回のウェブログは、公開が当初の告知よりだいぶ遅れましたが、どうも技術的な問題が若干あったようです。BLOG界の出来事:06/24-BLOG界の出来事経由で知った記事、O saisons, o chateaux…:ブログ、やっと納品に、そんなことが書かれていました。「某大手児童書版元のブログ」という表現になっていますが、児童書出版元で現在、ウェブログを構築・公開しているのは、たぶん福音館書店だけですよね。
どんな環境でも適切に表示されるウェブページを作るのは、本当に大変なことと思います。ウェブログという新しい仕組みを導入するのであれば、なおさらかもしれません。
私たち閲覧者は表に見える部分しか知らないわけですが、それを支える裏方の苦労と努力を少しかいま見た気がします。
荒井良二さんとリンドグレン記念文学賞(その3)
「その3」ということで、今回は、2つのクリップ情報を簡単に紹介したいと思います。
一つ目は、スウェーデンに行かれる前の荒井さんへのインタビュー。毎日新聞の記事、MSN-Mainichi INTERACTIVE 話題です。記事の日付は2005年5月18日。
受賞の連絡がいきなり携帯電話にあったこと、小学生のとき絵に目覚めたこと、子ども向けのワークショップのことなどが語られています。
とくにワークショップに関する次の言葉が印象深いです。
「子供を手のひらであやすようなことはしたくない。全身でぶつかりたい。僕の絵を『うまい、上手』じゃなく『自分にも描ける』って思わせたい」。
子どもを子ども扱いするのではなく、一人の独立した個人として捉えるということ。だから、変に優しくしたり受けをねらったりしないということ。これは、絵のワークショップだけでなく、私たち大人が子どもに接するときに常に大事な点なんじゃないかなと思いました。
あと、「絵本の時間は短い」という言葉も、たしかにその通りだなあ。うちの子どもたちと、あとどのくらい一緒に絵本が読めるんだろう? なんだか、いま子どもたちと共有している時間が本当に貴重に思えてきます。
二つ目は、帰国後の最初(?)のイベント情報です。青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山 にて、6月4日(土)に荒井さんのトークショーが開かれます。詳細は青山ブックセンター イベント情報に掲載されています。これは新刊絵本の刊行にも合わせたもののようです。
たぶん、あちこちから講演やワークショップの依頼が荒井さんに殺到しているんじゃないかな。しばらくはお忙しいかもしれませんね。
荒井良二さんとリンドグレン記念文学賞(その2)
荒井さんの話題が続きますが(^^;)、今日は、地元新聞の人欄に荒井良二さんが登場していました。これも共同通信社の配信かもしれません。
今回の受賞にさいし、スウェーデンのストックホルムで子どもたちと開いたワークショップが、取り上げられています。また、絵との出会いや絵本を志したときの経緯が記されていました。荒井さんは大学一年のときにアメリカの絵本に出会い「やりたいこと」が分かったのだそうです。
少し引用したいと思います。
小学校一年生の時、学校に行かず、家で絵ばかり描いていた。親や先生に理由を問い詰められ、自分も分からなかった当時の気持ちがよみがえる。「今はかつての六歳の僕に元気を出せよと言いながら、そのままでいいんだよ、ゆっくりでいいんだよと伝えたい」
実は去年の夏、荒井さんのトーク&サイン会に参加しました。そのとき、荒井さんは、まわりを走り回りマイクにいたずらばかりしている子どもたちを、なんとも自然に受け入れていたことを思い出します。お話が終わって、開場の奥にあったホワイトボードに落書きをしている子どもたちに荒井さんはすっと入っていかれ、一緒に絵を描いていました。荒井さんの絵本が発しているメッセージは、荒井さんのお人柄にも表れているように感じました。このトーク&サイン会のときのことは、近いうちに、なんとか記事にしたいと思います。
ところで、今回の受賞では、式典以外にもいろいろお忙しかったようです。アストリッド・リンドグレン記念文学賞のサイト Astrid Lindgren Memorial Awardには、受賞者ウィークの案内が掲載されていました。Prize winner’s week 22-28 Mayです。荒井さん関連のところを少し抜き書きしてみます。
- 5月22日:午後にjunibackenでサイン会
- 5月23日:午前は記者会見、夕方は国立図書館で講演
- 5月24日:午前は子どもたちとワークショップ、午後は芸術大学Konstfackで講演
- 5月25日:午前は子どもたちとストーリー・セッション、夕方から授賞式とレセプション
- 5月26日:夕方から国際図書館で講演
かなりのハードスケジュール。だいぶお疲れかもしれませんね。スウェーデンの人たちがどんなふうに荒井さんの講演や絵本に反応されたのか、ちょっと知りたいです。でも、たぶんスウェーデンでも、荒井さんはごく自然に子どもたちのなかに入っていかれたんじゃないかなと思います。
荒井良二さんとリンドグレン記念文学賞(その1)
昨日、リンクを張った、アストリッド・リンドグレン記念文学賞のサイト Astrid Lindgren Memorial Awardですが、いろいろ見ていたら、日本語のプレスリリースが公開されていました。Press release in Japaneseです。左のページから日本語のPDFファイルにリンクされています。このプレスリリースは3月16日付け。今回受賞した荒井さんとイギリスのフィリップ・プルマンさんの紹介、受賞の理由、アストリッド・リンドグレン記念文学賞の説明、などが書かれていました。
なかなかおもしろいと思うので、荒井さんの受賞理由の文章を引用します。
「荒井良二(日本)は、斬新、大胆、気まぐれ、全く独自の発光力を持つ絵本画家である。彼の絵本は、子供と大人に同時にアピールする暖かさを発散し、茶目っ気のある喜びと奔放な自然さがある。絵の具は、彼の手を経てあたかも音楽の流れのように常に新しいアドベンチャーへ飛び出し、子供達に自分で描き、語らせたがる。子供達にとって、描くこと自体が詩的で偽りのないストーリーアートである」。
「独自の発光力を持つ絵本画家」……、うーむ、まさにその通りですね。この「発光力」という言い回しは、いかにも翻訳調ですが、しかし、荒井さんの絵本のかなり重要なところを捉えている気がします。というか、実際、荒井さんの絵はまさに「発光」していますよね。あと、「音楽の流れのように」というのも、なんだか納得できます。
同じく上記のページからリンクされているPDFファイル(日本語)では、荒井さんの作品に関するかなり詳しい説明、というかレビューが掲載されています。翻訳調の堅い文章ですが、こちらも興味深いです。
たとえば、次のような理解は、かなり当たっていて、おもしろいと思います。
荒井良二の絵の世界には、あり得ないことがない。そこには、都会生活のせわしい表現と森の安らぎと海の穏やかさとが同居している。
これらのプレスリリースを読んでみると、今回の受賞では、荒井さんの絵本がかなりきちんと評価されていることが分かります。
アストリッド・リンドグレン記念文学賞のサイトには他にもいろいろ情報が掲載されているので、少しずつ見ていって、そのうち紹介できたらと思います。
荒井良二さん、アストリッド・リンドグレン記念文学賞の授賞式
共同通信社配信の記事で、荒井良二さんが受賞したアストリッド・リンドグレン記念文学賞授賞式の様子が伝えられています。
スウェーデンの世界的な児童文学賞、アストリッド・リンドグレン記念文学賞の授賞式が25日、ストックホルムで行われ、絵本作家の荒井良二さん(48)=東京都在住、山形市出身=と英国の児童作家フィリップ・プルマンさんに賞状と賞金各250万クローナ(約3700万円)が贈られた。
笑顔の荒井さんがビクトリア王女と握手している写真も付いていました。あのぼさぼさ髪に無精ヒゲと丸メガネ、割とちゃんとした服装ですが、よく見ると、白のシャツがズボンからはみ出してますね(^^;)。なんか、いいなー。とても荒井さんらしい気がします。
それで、少し調べてみたら、アストリッド・リンドグレン記念文学賞のサイトが見つかりました。Astrid Lindgren Memorial Awardです。スウェーデン語と英語の両方で開設されています。
荒井さんのプロフィールやインタビュー、絵本の紹介や著作リストもあり、かなり充実した内容。荒井さんのセルフポートレートは、あの鮮やかな色彩による自画像です。
英語はなかなか厳しいのですが、どんなふうに評価されているのか、ちょっと知りたいですね。そのうち読んでみようと思います。
ともあれ、荒井さん、本当におめでとうございます。
「こどものとも」創刊50周年記念ブログ、5月下旬スタート
福音館書店の月刊絵本「こどものとも」が来年3月で600号、創刊50周年を迎えるそうです。それを記念して、福音館書店で記念のウェブログを開設(!)。昨日、配信された福音館書店のメールマガジン「あのねメール通信 2005年5月6日 Vol.42」に案内がありました。
それによると、ウェブログには、これまでに刊行した「こどものとも」600点と「こどものとも年中向き」200点のバックナンバー全点(!)の表紙と簡単な内容を、1週間に1年分ずつ紹介し、毎回その刊行当時のことを知る方々によるエッセイを掲載。50年ですから、50週、約1年で50年の歴史をたどることになるそうです。5月下旬までにはスタートとのこと。
これはすごい!! バックナンバー全点ですよ、みなさん! あの名作・傑作から、あの怪作まで、すべての表紙と内容紹介……。いや、本当にすごい試みです。
エッセイは誰が執筆されるのかな。「こどものとも」50年の歴史ですから、そうそうたるラインナップになることは間違いなしですね。非常に楽しみです。
ウェブログですから、もちろん、一般の読者の感想やコメントも書き込めるようになるみたいです。これは、ものすごく盛り上がりそうですね。私もぜひぜひ参加したいです。
一般に企業によるウェブログの活用としても、非常におもしろい事例になるのではないでしょうか。こういう有意義な使い方があるんだという先進的な取り組みとして注目される気がします。
ともあれ、スタートは5月下旬。まだ先ですが、本当に楽しみに待ちたいと思います。
「丸の内ブックカフェ」
クリップしている東京新聞の記事、飲食しながら絵本が読める「丸の内ブックカフェ」。この取り組み、朝日新聞でもasahi.com: 「絵本の面白さ知って」丸の内ブックカフェ開催中-文化・芸能の記事で取り上げられていました。
東京、丸の内周辺のカフェ22店が4月16日から5月1日まで、飲食しながら絵本が読める「丸の内ブックカフェ」になるそうです。4月23日の「子ども読書の日」にちなんで、文化庁と大手町・丸の内・有楽町再開発計画推進協議会が共催、朝日新聞社が協力しているとのこと。
発案者は文化庁長官の河合隼雄さん。「カフェでお父さんたちが読んだらおもろいやないか」ということで始まったのだそうです。カフェに置かれる絵本は計12冊。河合さんや谷川俊太郎さん、斉藤由貴さん、阿川佐和子さんらがセレクト。手にとって自由に読むことができます。お父さん向けの絵本ガイドも用意され、5月1日までは近くの丸善や冨山房書店などの3つの店舗ですぐに購入できるそうです。いや、これは、すごいですね。
こういう試みを見ると、やっぱり絵本は本当に流行っているんだなあとあらためて実感しますね。従来、絵本がなかった空間にどんどん絵本が入ってきている、そんな印象を受けます。
その結果として、河合さんが言われているように、日頃あまり絵本に接する機会のないお父さんやサラリーマンの方々が絵本に目を開かれるのなら、それはとても有意義と思います。これをきっかけに、自宅でもお父さんが絵本の読み聞かせを始めるようになるかもしれませんね。
ただ、一つ気になるのは、こういう取り組みが主に大人に向けてなされていること。上記の河合さんの言にもありますが、絵本をカフェに置いて誰に読んでもらいたいのかといえば、あくまで大人。これで本当によいのかなと少し疑問もわいてきます。
たとえば、今回の試みに参加したカフェに親子連れが気楽に入っていけるのかどうか。そのカフェで小さな子どもたちが絵本に楽しく接したり、あるいはお父さんやお母さんと一緒に絵本を読めるのかどうか……。もしそうではないなら、いったい、このカフェに置かれている絵本とは何なのだろう? 何かズレているような……。
まあ、ちょっと考えすぎかもしれません。でも、カフェという空間は、なかなか小さな子ども連れでは入りにくいことが多いんですね。だから、せっかくカフェに絵本を置くなら、そこが同時に子どもたちも楽しく過ごせる場であってほしいと思います。もしかすると、「丸の内ブックカフェ」でも、そういう工夫をしているところがあるのかもしれませんが……。
あと、今回の試み、共催している文化庁や大手町・丸の内・有楽町地区 再開発計画推進協議会のウェブサイトには、とくに情報が見あたりませんでした。私の検索の仕方が悪いのかもしれませんが、参加しているカフェの所在地や連絡先、そこに置かれている絵本の一覧、また誰がどんな絵本をセレクトしたのか、といったことくらいは知りたいところです。まあ、まだ始まったばかりなので、そのうち情報が掲載されるかもしれません。
【追記(2005年5月4日)】
上記で関係サイトに情報が掲載されていないと書きましたが、どうやら、私の勘違いのようです。この間に情報掲載ページを見つけました。大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会と文部科学省が推進している「丸の内元気文化プロジェクト」のサイト、Marunouchi.comのイベント開催実績一覧のページ、Marunouchi.comです。今回の実施店舗とおすすめ絵本の取り扱い書店のリストが載っていました。
「丸の内ブックカフェ」は5月1日までなので、もう終了していますが、店舗と書店のリストを引用しておこうと思います。
<丸の内ブックカフェ実施店舗>
- エクセルシオールカフェ(丸の内トラストタワー店、丸の内ビル店)
- スターバックスコーヒー(KDDI大手町ビル店、新大手町ビル店、丸の内三菱信託銀行ビル店、JR東京駅日本橋口店、丸の内ビル店、丸の内三菱ビル店、丸の内新東京ビル店)
- タリーズコーヒー(大手町日本ビル店、丸の内古河ビル店、パシフィックセンチュリープレイス丸の内店)
- チェーロ(東銀ビル)
- 三菱電機 DCROSS(三菱電機ビル)
- フラッグスカフェ(三菱電機ビル)
- ガストロパブ クーパーズ(三菱ビル)
- 相田みつを美術館内(東京国際フォーラム)
- Marunouchi Cafe(新東京ビル)
<お薦めの絵本の取扱書店>
- 冨山房書店(丸の内MY PLAZA)
- 丸善(丸の内オアゾ丸の内本店、丸ビル店)
もしかすると、継続して絵本を置いているカフェもあるかもしれませんね。期間中の反響やその後についても知りたいところです。
「パパとあそぼう」:お父さんの育児講座
クリップしている朝日新聞の記事、子育て支援センターで講座 asahi.com : マイタウン熊本 – 朝日新聞地域情報。熊本市の総合子育て支援センターが、毎月第二土曜日に、父親向けの育児講座「パパとあそぼう」を開いているそうです。内容は、おもちゃ作りなどで、絵本の読み聞かせ指導もあります。
なかなか楽しそうなのですが、参加者がとても少なく、平均2、3人にとどまるとのこと。記事で取り上げられていた4月9日はたったの1人(1組)だけです。
まあ、土曜日とはいっても仕事が忙しく、時間がとれないお父さんが多いかもしれませんね。
あるいは、講座の存在がまだあまり知られていないのかも。検索してみると、熊本市子育て支援ホームページがありました。ざっと見たかぎりでは、4・5月の予定表には記載されていましたが、専用ページは見つかりませんでした。せっかくなので、もう少し情報を掲載した方がよいように思います。
また、講座の内容を少し工夫すると、参加者が増えるかもしれませんね。どちらかといえば、屋内での遊びではなく、外遊びを中心にプログラムを組むと参加しやすいかもと思いました。
あと、それなりに意識はあっても、講座にまで出かけるのはちょっと、と抵抗を感じているお父さんが多いんじゃないかな。何となく恥ずかしいとか、あるいは、講座でわざわざ「教えて」もらわなくても大丈夫!といった意識もあるでしょう。
でも、たとえば私のばあい、絵本はともかく、それ以外の遊びについては、正直言って、あまり自信ないです。自分の父親の世代と比べるなら、遊びのノウハウが足りないなあと感じています。だから、こういう講座はとても貴重。潜在的ニーズはかなりあると思うのですが、どうでしょう。
それに、記事のなかで紹介されている、参加したお父さんの次の言葉も大事ですね。
参加の動機は、子供を預かることで奥さんの息抜きになればと思ったからという。
お母さんにとって、自分の時間がほしいというのは本当に切実と思います。私なんか、ぜんぜん妻の負担を軽減できていなくてダメなんですが、お父さんがこういう講座に参加して少しでも子育てに参加すると、だいぶ違ってくると思います。
しかしまあ、よそのことをとやかく言う前に、自分こそ、しっかりしないとね。