「絵本の周辺」カテゴリーアーカイブ

日本絵本賞

 第9回日本絵本賞の各賞が決まったそうです。OKI*IKU Note さん経由で知りました。毎日新聞の記事です。

 検索してみたらウェブサイトもありました。賞の主旨説明のところを引用します。

(社)全国学校図書館協議会と毎日新聞社とによって、平成7年度より「絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与する」ことを目的に創設されました。賞には「日本絵本大賞」、「日本絵本賞」、「日本絵本賞翻訳絵本賞」のほか、今回皆様に投票をお願いする「日本絵本賞読者賞【山田養蜂場賞】」があります。

 このうち、日本絵本賞読者賞【山田養蜂場賞】は、「候補絵本選定委員会」が24冊の候補絵本を選び、そのなかから読者にハガキで投票してもらって、もっとも得票数が多かった絵本が受賞するとのこと。

 過去の受賞作品については、(社)全国学校図書館協議会のサイト学校図書館資料のセクション日本絵本賞受賞作品一覧で見ることができます。これはPDF文書になっています。

 また、この日本絵本賞以前に1978年から1992年まで実施されていた「絵本にっぽん賞」についても、同じく(社)全国学校図書館協議会の学校図書館資料のセクションのなかに、受賞作品一覧がPDF文書で提供されていました。

 ほかには、Yahoo!ブックスのウェブサイトのなかに、絵本・児童文学関係のいろんな賞の受賞作品リストがあります。こちらでは、書籍の画像もみれますし、イーエスブックスを通じて購入することもできるようです。

大阪府立国際児童文学館

 先日の出張のときにちょっとだけ時間があったので、大阪府立国際児童文学館に行ってきました。

 場所は大阪、北千里の万博公園のなか。はじめてだったので中央口から入ったら、自然文化公園の入園料を取られてしまいました。国際児童文学館それ自体は入館無料なのですが、中央口から行こうとすると入園料がかかってしまいます。万博公園の東口からだと、入園料を払う必要はなく、直接、国際児童文学館に行けるそうです。はじめて行く方はご注意を。

 それで、この国際児童文学館ですが、アジア最大の子どもの本の資料・情報・研究センターとのこと。国際的な規模で児童文学関係の資料を収集・保存し、整理・公開することが使命とされ、児童文学及び児童文学に関わる児童文化の調査・研究機関、その成果を利用者に提供する資料・情報センターというのが、この国際児童文学館の主旨だそうです。明治時代からの子どもの本をはじめ、海外の子どもの本も含めて67万点を所蔵しているとのこと。

 調査・研究機関とはいっても、1階には「子ども室」が設置してあり、そこには2万点の子どもの本や絵本が開架されています。これは貸出も可能とのこと。じっさいに訪れてみると、こぢんまりしてますが、なかなか居心地のよい空間でした。また、ちょうど、「ニッサン童話と絵本のグランプリ」入賞作品展がおこなわれていて、こちらも興味深かったです。

 2階には「閲覧室」があり、ここで申し込めば閉架の書籍も手にとって見ることができます。ほかにも、2002年10月から現在までに出版された新刊の読み物や絵本や一般書など、約5000点が開架されていて、これは圧巻の一言。市販されていないものや各種の資料・図録などもそろっており、非常に充実しています。これまで知らなかった絵本や絵本に関する本もたくさん発見しました。ここは本当におすすめ。

 ただ、この「閲覧室」は、幼児や小中学生など子ども連れでは入れません。調査研究、資料提供の主旨からすると当然とも言えますが、ちょっと残念かな。

 検索してみると、ウェブサイトもありました。こちらも、きわめて充実しています。資料検索や施設案内はもちろんのこと、さまざまなイベントや展示の案内やレポート、専門的な研究紀要や報告書や出版物の案内、専門員や客員研究員の紹介、児童文学関連の新聞記事の紹介、関連学会や講演会のお知らせ、リンク集、などなど、たいへんな情報量です。

 主催のイベントや講演会も、とてもおもしろそうです。おはなしボランティアのスキルアップ講座やワークショップ、幼児から小中学生に向けてのプログラム、作家や児童文学者の方の講演会や人形劇や物語ライブ、おはなし会や物語体験クラブなど、私が大阪在住ならぜひ参加したいものが盛りだくさん。その他、ニッサン童話と絵本のグランプリ、国際グリム賞も主催しているそうです。

 このサイトでは、2003年に発行された「親と子が楽しむはじめての絵本」というリーフレットの中身も見ることができました。こちらも参考になります。

 ともあれ、施設もウェブサイトもたいへん充実していて、絵本や児童文学に関心のある方にはおすすめです。

図書館のおはなし会

 今日は週に一度の図書館の日。いつも通り近くの公立図書館に行ってみると、偶然、おはなし会がおこなわれていました。私たちが図書館に着いたときがちょうどはじまるところ。子どもも「見てみたい」と言うので、いっしょに楽しんできました。

 以前にも何度か図書館のおはなし会に出てみたのですが、うちの子どもはすぐに途中で飽きてしまって、最後までいたためしがありませんでした。ところが、今日は、お話がおもしろかったのか、しまいまでずっと座ってお話を聞いていました。幼稚園でも絵本の読み聞かせをしているようなので、みんなでお話を聞くのに慣れてきたのかもしれません。

 おはなし会の内容は、絵本の読み聞かせ、おはなしの語り、紙芝居と盛りだくさん。とくにおもしろかったのは「エプロンシアター」。たくさんポケットのついたエプロンを付け、人形とそのポケットで物語を語るというものです。エプロンにはマジックテープがはってあり、人形などを貼り付けることができます。私ははじめて見たのですが、なかなかおもしろかったです。

 よほど楽しかったのか、うちの子どもは、幼児向けのおはなし会のあとに時間を空けておこなわれた小学生向けのおはなし会にも参加していました。私が目を離したすきに、いつのまにか一人でおはなし会の部屋に入り小学生向けのお話を聞いていて、びっくりしました。ついでに出席カードとシールまで余分にもらってきて、しかも、そのおはなし会で読み聞かせをした絵本までちゃっかり借りてきていました。

 ところで、今日のおはなし会、参加者はやはり子ども連れのお母さんがほとんどで、お父さんは私を含めて2人だけでした。ちょっと残念。図書館の絵本コーナーでもお父さんは少数派ですし、お母さんの参加者が多いおはなし会の部屋にはなかなか入りづらいところです。

 でも、今回、最初から最後まで参加してみて、おはなし会はなかなかよいなあと思いました。担当の方の実演を見ていると、絵本の読み聞かせの仕方とか、参考になります。おはなし会の出席カードももらいましたし、機会があったら今後も出てみようと思いました。

 お父さんにもっと参加してもらうには、おはなし会での絵本や紙芝居の読み聞かせに男性も加わるといいかもしれないですね。内容もバラエティに富んでくるし、子どもたちにとってもおもしろいのではないでしょうか。

 というか、図書館のおはなし会は、もう少し展開の可能性があるような気もします。おはなし会は女性(お母さん)がするもの(参加するもの)みたいな先入観を一度壊してみてはどうでしょう。女性(お母さん)だけでなく、男性(お父さん)、さらには少し前まで子どもだった高校生や大学生、あるいはお年寄り……、老若男女、性別・年齢を問わずいろんな方が絵本や紙芝居の読み聞かせをしたら、すごくおもしろくて楽しくなると思うのです。さまざまな人生経験のある方(ない方)がそれぞれの解釈で読み聞かせをやってみる、それは子どもたちにとって有意義であるのみならず、読み聞かせをする方にとっても得るものが多いと思います。そういう場があると、広く絵本をめぐる状況もかなり変わってくるような気がします。

読み聞かせの楽しみ

 絵本と育児本をテーマとしたウェブログ、OKI*IKU Note「『読むこと』は目的じゃない」という記事がありました。

「これはいい絵本だ!」自分が読んで感動した絵本ほど、子どもにちゃんと見てほしいとはりきってしまいます。しかし子どもは大人の思うようには絵本を見てくれません。
[中略]
「読んでほしい」という思いが強ければ強いほど、親としてはイライラしてしまいがち。けれど『赤ちゃんと脳科学』(小西行郎:著/集英社新書/2003/05)という本の中で読み聞かせについて書かれた文章を読んで、「絵本を読むこと」が読み聞かせの目的ではないのだなと気づきました。
[中略]
大切なのは絵本を読むことそれ自体よりも、それを使いながらどうコミュニケーションするかということ。

 たしかにそうだなあと思いました。私も、ついつい自分の都合で絵本を選んだり、子どものことを考えないで読み聞かせをしているなと少し反省。

 読み聞かせのとき、うちの子どもはたいてい、私のひざの上に座っているか、ふとんのなかでとなりに横になっているんですね。だから、子どもの表情が見えなくなりがちだなとあらためて思います。

 また、同じ絵本を二人で読んでいるとはいっても、子どもはやはり絵本の画面全体を見ていて、読み聞かせをする私はどうしても文章の文字を追ってしまいます。そうすると、見ているものも違ってきます。

 でも、見ているものが違うから、いろいろ子どもと話しができることもあります。私が気が付かなかったディテールを教えてもらったりもします。これも、一つのコミュニケーションかなと思います。

 最近は私も、読み聞かせをしながら、なるべく子どもの表情を見るようにしています。ニコニコと楽しそうにしていたり、「おもしろいねー」って笑っていたり、はっと緊張していたり、そんな子どもの様子が伝わってきます。そうなると、自分もいっしょになって絵本を楽しめるような気がします。

絵本をさがす:図書館

 昨日は週に一度の図書館の日。毎週、土曜日か日曜日、二つの公立図書館に交互に行ってます。子どもも自分の図書館カードを作り、絵本を借ります。二つの図書館から借りた絵本が約15冊、うちではいつも枕元に置いてあります。

 で、自宅で買って持っている絵本と合わせて、毎晩、読み聞かせ。まず、夜の歯みがきの前に1冊。うちでは絵本を1冊読まないと歯みがきになりません。いつのまにか、そんな決まりになってしまいました(実はこれがウェブログの名前の由来)。そして、歯みがきが終わってふとんに入ってから、さらに3冊。なぜ3冊かという理由はとくになく、いつのまにかそんなふうになりました。3冊読んでもまだ眠くないときは1冊追加することも、たまにあります。

 というわけで、寝る前に読み聞かせする絵本は、たいてい4冊、ときに5冊。これが1年365日ほぼ毎日ですから、単純計算で4冊×365日=1,460冊! もちろん、違う絵本を読んでいるのではなく、同じ絵本を何度も繰り返し読むわけですが、それにしても、うーむ、あらためて計算してみるとすごい数だ。子どもが大きくなっていつか絵本の読み聞かせも終わるでしょうが、「これ、読んで!」と言われている間は続けていきたいと思っています。

 ともあれ、やはり絵本は買うとなるとかなり値段がするので、本当に図書館の絵本コーナーにはお世話になってます。

 それで、毎週、図書館に通ううちに覚えた、図書館で絵本をさがすときの小技を2つ(といっても当たり前のものですが……)。

 一つは、返却されたばかりの棚のチェック。誰かが借りた絵本ですから、それなりに選ばれる理由のある絵本が並んでいると言えます。たしかに、まあ、趣味に合わない絵本ばかりのこともあるのですが、人気のある絵本をいち早く入手できたりするので、まずはチェックです。

 もう一つ、閉架の絵本がねらい目。図書館によって違うと思いますが、私たちが通っている図書館では、開架で表に出ている絵本はごく一部で、閉架の倉庫にたくさん絵本が眠っています。開架になくても、コンピュータで検索してみると、閉架にはあったりします。また、人気のある絵本でも図書館で複数冊購入して、開架に1冊、閉架に2、3冊所蔵されていることもあります。ですので、図書館で絵本をさがすときは、開架にないからといってあきらめず、閉架も検索してみるのがおすすめです。最近だと、インターネット経由で蔵書検索や貸し出し予約ができる図書館も増えているので、閉架の絵本もさがしやすくなってきました。

 とはいえ、端末を操作するのではなく、絵本コーナーでじっさいに手にとって絵本をあれこれさがすのは、それ自体、楽しいものです。書棚のまわりをうろうろしながら、好きな絵本作家の未知の絵本を見つけたり、ぱらぱら立ち読みして新しい絵本を発見したり……。なんと言ったらいいか、何かはっきりした目的があって本をさがすのではなく、子どものころに自分で図書館に行きはじめたときのあの感覚です。

 でもまあ、子ども連れとはいえ、いい歳をしたおじさんが、図書館の絵本コーナーで「おおっ!」とか「これはすごい!」とかつぶやいているのは、我ながらけっこう不気味ですね(笑)。

すくすく子育て(NHK教育):絵本との出会い

 NHK教育で日曜の午後6時から放送されている「すくすく子育て」。番組のウェブサイトもあります。1月4日のテーマは「絵本との出会い」でした。テーマがテーマなので「これはちゃんと見たいな」と思い、ビデオに録画。ようやく見ることができました。

 今回は0歳児から赤ちゃんと絵本を楽しもうという主旨で、なかなかおもしろい内容だったのですが、「そんなこと言っていいのか?」と疑問に思うところもありました。

 とりあえず、役に立つ情報から……

 まず、私もはじめて知ったのですが、ブックスタートという取り組みが全国各地でおこなわれているそうです。これは0歳児健診のときに赤ちゃんと保護者に絵本を配布していく運動で、2003年12月現在で全国の計573の自治体がすでに実施しているとのこと。長野県茅野市では、出生届を提出するときに絵本を1冊プレゼントするといった取り組みもされているそうです。

 このブックスタート、もともとは1992年にイギリスのバーミンガムではじまり、2001年から日本でも本格的に取り組みがはじまったとのことです。ブックスタートをサポートする団体として、NPOブックスタート支援センターも2001年に設立されています。このNPOのウェブサイトに詳しい説明があります。

 それから、番組では、言葉がまだ分からない0歳児でも十分絵本を楽しめることがいろいろと説明されていました。読み聞かせのコツや、0歳児におすすめの絵本も紹介されていて、これは役立ちます。

 「すくすく子育て」のウェブサイトにも今回の内容の要約がありますが、おすすめ絵本については掲載されていないので、参考のため、以下に書誌情報を挙げておきます。

  • 神沢利子 文/柳生弦一郎 絵『たまごのあかちゃん』福音館書店、1993年、定価780円
  • 真砂秀朗『リズム』ミキハウス、1990年、定価(本体 826円+税)
  • 谷川俊太郎 作/元永定正 絵『もこ もこもこ』文研出版、1995年、定価(本体 1,243円+税)
  • 林明子『おつきさま こんばんは』福音館書店、1986年、定価735円
  • 中川ひろたか 文/100%Orange 絵『スプーンさん』ブロンズ新社、2003年、定価(本体 850円+税)
  • 中川ひろたか 文/100%Orange 絵『コップちゃん』ブロンズ新社、2003年、定価(本体 850円+税)

 0歳児のおすすめ絵本については、上記のNPOブックスタート支援センターのウェブサイトでもたくさん紹介されていました。

 で、私がこの番組で疑問に思ったことなのですが、「ママが読むとよい本」と「パパが読むとよい本」があると説明していたところです。どうやら声が高いが低いかで読み聞かせをしている赤ちゃんの反応が違うということで、「ママが読むとよい本=楽しい、メルヘンなど」「パパが読むとよい本=恐い、冒険など」とされています。これは、京都大学大学院助教授の正高信男さんの研究だそうで、ゲストの東京大学大学院助教授の秋田喜代美さんがそのように紹介していました。

 たしかに、赤ちゃんの発汗作用など科学的なデータの裏付けがあるようですが、でもなあ、なんかおかしくないですか? 問題になっているのは、声が高いか低いかであって、それは「ママ/パパ」とは関係ないんじゃないかなあ。女性にも声の低い人はいるし、男性にも声の高い人はいるわけで、それを「ママ/パパ」に簡単に割り振っていいんだろうか。男性だろうが女性だろうが、内容に応じて読み聞かせの声の表現を工夫すればいいだけでは? この図式、ちょっと問題ありと思います。

 もちろん、番組としては、「絵本が苦手なパパもぜひ絵本の読み聞かせをして下さいね」という主旨なんでしょうが、それを単純に「ママ/パパ」の役割分担につなげていいんでしょうか?

 男性だって「楽しい、メルヘンなど」の絵本を読んでいいし、女性だって「恐い、冒険など」の絵本を読んでいい。こんな窮屈で不自由な読み聞かせはしたくないし、自分の子どもにもそんなつまらないことを教えたくないので、私としては断固、上記の図式に反対です。絵本の読み聞かせって、もっと自由で楽しいものだと思うのですが……

父の友

 以前の「絵本の推奨年齢」で少しふれた「父の友」ですが、図書館で久しぶりに『母の友』を見ていたら、連載記事のなかに「父の友」がありました。紹介によると、「父親が父親に向けて発信するページ」だそうで、3ヶ月ごとに執筆者が交替するそうです。

 もともと『母の友』それ自体、副タイトルに「幼い子を持つおかあさん、おとうさんに。子どもにかかわるすべての人に。」となっていますし、お父さんが読んでもおもしろい記事やためになる記事がけっこう掲載されていますね。

 でもなあ、なんだかんだいっても雑誌のタイトルは『の友』だし、「父の友」のページも3ページくらいしかないしね。やはり、1年に1度くらい増刊で『の友』をぜひ出してほしいところです。けっこう売れると思うのですが・・・。

絵本の推奨年齢

 「ひねもすのたりのたりかな」のFFへんしゅ~ちょさんにうちのブログを紹介していただきました。ありがとうございます。ココログではあまり絵本の話題とか見かけないのですが、やはり、ココログを利用しているのは若い人が多いのかなと思います。

 ところで、FFへんしゅ~ちょさんも書かれていましたが、絵本についている「推奨年齢」、これは、たしかに「謎」ですね。出版社によって違うようで、とくに推奨年齢がついていないものもけっこうありますが、最大手(?)の福音館書店の絵本にはたいてい裏表紙に書いてあると思います。しかも、福音館は、「読んであげるなら」と「自分で読むなら」の二つにしていて、実に丁寧(?)。「3才~小学校初級向き」といった書き方になっています。

 福音館のウェブサイトをのぞいてみましたが、どうやって年齢設定しているのか、とくに説明はないようです。ただ、福音館では、月刊絵本誌をいっぱい出していて、これが、たぶん推奨年齢設定に関係しているのかなと思います。

 ざっと挙げてみると、『こどものとも 012』(10ヵ月から2才向き)、『こどものとも 年少版』(2才から4才向き)、『こどものとも 年中向き』(4才から5才向き)、『こどものとも』(5才から6才向き)、『おおきなポケット』(小学校1、2年向き)、『たくさんのふしぎ』(小学校3年生から)、となっていて対象年齢が細かく分かれています。中身も、たとえば文字の量とか一つのページのなかでの絵のレイアウトの仕方とか、たしかに、それぞれの雑誌によって微妙に違っています。福音館は、月刊絵本誌に掲載されたものをしばらくしてから「傑作集」として単行本にしたりするので、それで割に細かく年齢設定するのかもしれません。

 とはいっても、どうやって、それぞれの月刊絵本誌に掲載されるものが分類されているのかは、やはり「謎」。絵本作家さんに依頼するときも「今度は3才向きに」とかお願いするのでしょうか。もしかして児童文学や児童心理学の専門家がアドバイザーについていたりするんだろうか・・・うーむ。

 それはそれとして、あらためて考えてみると、ふつうの雑誌(女性誌とか男性誌とか)のように対象年齢が細かく分かれるのは、出版社にとっては一つの営業戦略なのかもしれません。上記の福音館の月刊絵本誌は、幼稚園を通じての定期購読も多いようで、うちの子どもが通っている幼稚園でも配布されています。で、これも、園児が年少さんか年中さんか年高さんかによって、配られる絵本誌が違うんですね。

 いや、もちろん、これは、たとえば福音館を非難しているわけではないです(念のため)。むしろ、いろんな月刊絵本誌が公刊されているのは、非常にいいことと思っています。図書館に行ったときも、うちの子どもは、幼稚園では配られていない福音館の月刊絵本誌を読んだりして楽しんでいますし、書店で買うときもあります。

 余談ですが、図書館で私もたまーに福音館の雑誌『母の友』とかのぞいたりします。『父の友』は刊行されていないのですが、1年に1回とか増刊号で出すとおもしろいと思うのですが・・・。

 話を推奨年齢に戻すと、(当たり前ですけど)子どもにとっては、推奨年齢が何歳だろうが、関係ないですね。中身がおもしろそうだったら、「これ、読んで!」です。私自身も、図書館や本屋で絵本を選ぶとき、そこに記されている推奨年齢を見ることはあまりないです。まだ小さな乳児のときはそうでもないでしょうが、子どもがある程度大きくなると、直感というか、絵の印象や文字の量で決めてます。