「ノッポさんと一緒にあそぼう」 瑞穂市図書館分館

 中日新聞、7月27日付けの記事、ノッポさんの遊びに子ら夢中 瑞穂市図書館分館1周年行事。「ノッポさん」で知られる高見映さんによる「ノッポさんと一緒にあそぼう」が岐阜県瑞穂市図書館分館で開催されたそうです。

 写真も載っていますが、まさに、あの「ノッポさん」。いやー、私も小さい頃、見てました、「できるかな」。この記事を書きながら、テーマソングがアタマの中で鳴っています。子どものときのテレビ記憶の深層に焼き付いています。

 今回の企画、参加した子どもたちはもちろんですが、保護者の方たちも大喜びだったのではないでしょうか。参加した方の様子、「『ノッポさんが言葉を発してびっくりしたけど、雰囲気は変わっていなかった』と声を弾ませていた」というのは、なんだか、ものすごく共感できます。

 ところで、高見さんは絵本もたくさん描かれているんですね。以前読んだことがありました。今回の催しでも高見さんの絵本をみなさんで読まれたそうです。

 瑞穂市図書館分館の案内は、瑞穂市/暮らしの情報/主要公共施設/施設一覧/市図書館分館。分館とはいえ、なかなかりっぱな施設。居心地がよさそうです。とくに「おはなし室」が外からガラス越しに見えて、隔離されていないのがいい感じです。

スズキコージ ワールド 滋賀県能登川町立図書館

 7月27日付けの中日新聞の記事、大胆な色使い魅力 能登川で絵本作家スズキコージ作品展。滋賀県能登川町立図書館で、スズキコージさんの作品展「スズキコージ ワールド」が開催されているそうです。8月28日まで。

会場には、見学者の前で音楽を流しながら描いた「ライブペインティング」と呼ばれる大作六点や絵本の原画、陶器の動物や家などを展示し、スズキさんのユニークな作品世界を紹介している。

 おもしろそうですね。とくに「ライブペインティグ」、これはぜひ見てみたいです。去年、スズキコージさんの巨大な作品(布?に描いたもの)を見る機会があったのですが、本当にすごい迫力と美しさで、絵本とは違った魅力がありました。

 能登川町立図書館は、博物館などと一緒になって、能登川町総合文化情報センターのなかにあるようです。ウェブサイトは、能登川町総合文化情報センター総合文化情報センターだよりのページをみると、先週の21日と22日にはスズキコージさんのワークショップも開催されたようです。どんな感じなんだろう。こちらも、一度は参加してみたいです。

太田大八『だいちゃんとうみ』

 夏の絵本を代表する名作。とても評判がよいのでずっと気になっていたのですが、今回はじめて読みました。本当に途方もなく美しい絵本。ページをめくりながら、感嘆のため息しか出ません。

 物語は、夏休みに従兄弟の「こうちゃん」の家に遊びに行った「だいちゃん」の一日。川エビをすくいに行ったり、海で釣りをしたり、潜ったり泳いだり、浜辺でご飯を食べたりと、楽しい水遊びの様子が描かれています。

 なにより印象深いのは、海や川の水面の色合い。陰影に富み、光と影にゆらめく水面は、底の深さまで感じさせます。ときとところによって表情を変えていく水の描写が、実に美しい。とりわけ浅瀬に足を入れている画面は、水底の砂に波の影や魚の影、足の影が重なり、「だいちゃん」と一緒になって、ゆらゆら揺れる海水を感じることができます。本当に自分の足を浅瀬に入れているような感覚。

 もう一つ、すごいと思ったのは、夜明け前の暗がりから明るい昼、夕暮れ、夜へと、画面全体にわたって夏の一日の光の移り変わり、明暗が非常に繊細かつ鮮やかに描き出されているところ。空の色、海の色、山の色、そして空気の色、すべてが少しずつ変化していき、一つ一つの画面にその瞬間の夏の光が写し取られています。

 文章の付いていないラストページ、丸電球といろりの火に照らされた食卓も、自然の光とはまた違い、人工的でありながら暖かみのある色合いで、とても美しく、また親しみ深く感じました。

 それにしても、こんなふうに自然に抱かれ夏を丸ごと感じ取るなんて、今では、なかなか難しいかもしれませんね。うちの子どもたちは、夏をどんなふうに感じているんだろうと、少し考えてしまいました。

 また、この絵本に描かれているのは大家族で、しかも近隣のつながりの強さも示唆されています。こういう社会環境も、今では失われつつあるのかもしれません。

 裏表紙の見返しには、大村湾に面した物語の舞台の地図が付いていました。主人公の「だいちゃん」は、作者の太田大八さんご自身でしょうか。自伝的絵本と言えそうです。

▼太田大八『だいちゃんとうみ』福音館書店、1979年(こどものとも傑作集としては1992年)、[印刷:精興社、製本:精美堂]

スズキコージ『すいしょうだま』

 これは、すごい! 魔法使いの息子が、兄弟の助けを借りて、魔法をかけられたお姫様を救い出すという物語。

 とにかく、ど迫力の絵に圧倒されます。エネルギーに充ち満ちた筆致に、濃密な描き込み。むせかえるほどに充溢する色とかたち。これまでに読んだスズキコージさんの絵本のなかでも、ここまで鮮烈なのは、ちょっとないんじゃないかと思いました。

 物語は、冒頭からとばしています。「魔法使いの女」が登場するのですが、自分の息子たちをちっともかわいがらず、ワシやクジラに変えてしまうのです。これは恐い。

 そして、物語の中ほどに現れる「お姫様」。こちらも強烈!

顔はねずみ色をした、くしゃくしゃのばあさんで
かみの毛をもやしたようないやなにおいを、あたりにまきちらしていた。

付けられている絵は、まさに文章の通り。造形も色合いも、不穏な雰囲気を醸し出しています。もちろん、魔法のせいでこうなっているわけですが、それにしても、「お姫様」のこんな描写、他の絵本ではちょっとお目にかかれないと思います。たぶん、スズキコージさんにしか描けないんじゃないかな。絵本の暗黙のルールを壊していると言えるかもしれません。いや、もちろん、それが素晴らしいと思います。

 さらに、荒ぶる牛との戦いに、真っ赤な火の鳥、潮をぶちまけるクジラと、すさまじい冒険がこれでもかと続きます。

 とにかく熱い画面に押しまくられる感じなのですが、と同時に、そこはかとなくユーモラスなところがあるように思いました。「魔法使いの女」の最後や物語のオチは、なんとなく力が抜けています。

 この絵本は最初、1981年にリブロポートより刊行され、その後、2005年に復刊。復刊ドット・コムに寄せられたリクエスト投票により復刊したそうです。これだけ強烈な絵本ですから、リクエストが集まるのも当然のような気がしました。

▼スズキコージ『すいしょうだま』ブッキング、2005年、[印刷・製本:株式会社シナノ]

田島征三さんの「絵本の原画展」

 TKU テレビ熊本、7月23日付けのニュース、TKU News:宇城市で絵本作家・田島征三さんの「絵本の原画展」

 熊本県宇城市不知火美術館で開催されている田島さんの絵本原画展。約160点が展示され、8月21日までとのこと。

 不知火美術館は、図書館などと一緒になった複合施設、不知火文化プラザのなかにあります。この不知火文化プラザ、写真で見るかぎりでは、かなりユニークで斬新な建物ですね。熊本アートポリス事業の一環でもあるそうです。

 不知火美術館:展覧会情報を見てみると、今回は、「やぎのしずか」シリーズを中心に『とべバッタ』、『はたけのカーニバル』、『ガオ』、最新作『モクレンおじさん』から『ちからたろう』、『しばてん』に至るまで展示されているようです。とくに、木の実を使った『ガオ』の原画は、ぜひ見てみたいです。

 7月23日には田島さんの講演会も開催とのこと。

屋外で絵本の読み聞かせをする「こかげ文庫」

 中日新聞、7月24日付けの記事、菊川・正法寺など涼しげな境内で「こかげ文庫」始まる

 神社や公会堂の涼しい木陰を利用して、幼児や児童に絵本に親しんでもらうという夏休みの企画。主催は、菊川市立図書館菊川文庫と子ども読書連絡会。なんと、19年前から続いている取り組みだそうです。

 いやー、これ、すごく気持ちよさそうですね。掲載されている写真を見ても、実にいい感じです。j神社やお寺の境内というちょっと非日常的な空間、夏の焼けた土と空気のにおい、セミの鳴き声、そして木陰の少しずつ変化する光……。絵本を読むのに、こんなすばらしい舞台は他にないです。いいなあ。

 読む絵本も、長さ20メートルの障子紙を使った巻き絵本や大型紙芝居など、いろいろ工夫されているようです。

 菊川市立図書館菊川文庫のウェブサイトは、菊川市立図書館菊川文庫

「こどもの本ブックフェア2005」

 京都新聞、7月24日付けの記事、京都新聞 電子版:児童書や絵本など10万冊一堂に
左京でブックフェア2005
。児童図書や絵本など10万冊を展示・販売するイベントです。掲載されている写真を見ても、絵本がずらりと平積みになっており、かなり大規模なブックフェアのようですね。

 主催しているトーハンのサイト、TOHAN Web Siteのなかに、案内がありました。TOHAN Web Site/TOHAN NEWS/2005年6月3日:2005こどもの本ブックフェア全国4会場で開催~子どもたちの興味や思考力を引き出す多彩な展示やイベントを展開~です。

 説明によると、今年で7回目を迎えるイベントだそうで、福岡、熊本、京都、岡山で開催とのこと。今年は、なんと、飯野和好さんの「ねぎぼうずのあさたろう」をメインキャラクターにしたのだそうで、会場には飯野和好コーナー「飯野和好わぁるど」を設置、原画風パネル展示や飯野さんのおはなし会とサイン会も開催。うーむ、これはちょっと見てみたい。

 あと、柳田邦男さんの「大人にすすめる絵本」や食育、戦後60年をテーマにしたコーナーもあるそうです。

 来場者が多くて人混みで大変かもしれませんが、子どもと一緒に遊びに行くとけっこう楽しいかもしれませんね。

紙芝居の作者を探している宮城県図書館

 河北新報、7月20日付けの記事、河北新報ニュース 紙芝居描いたのは誰? 宮城県図書館所蔵の約5万枚

 宮城県図書館には約5万3000枚の街頭紙芝居が所蔵されており、東日本最大級のコレクション。そのうち、作者が明らかになっているのは、約1300枚分のみとのこと。それ以外の作者は、ペンネームが分かっても、本名の分からないものが多いそうです。

 この記事ではじめて知ったのですが、紙芝居は、絵描き、着色、せりふが別人による共作の場合が多く、しかも、一人の作家が様々なペンネームを使い分けていることもあるそうです。なんとなくですが、紙芝居は、文字通り路上で作られ楽しまれるもの。つまり、規格された商品とはまた違った性格を持っているように感じました。

 と同時に、この紙芝居の文化がまさに路上においては消えかかっていることも確かかと思います。宮城県図書館所蔵の紙芝居は、宮城県内最後の紙芝居師である井上籐吉さんが寄贈されたものが中心だそうです。井上さんは現在、82歳。現役で街頭紙芝居を行っている方は、ほとんどいらっしゃらないのかもしれません。

 とはいえ、記事に掲載されている写真を見ても、たいへん個性的でおもしろそうな内容。当時の社会情勢を強く反映したものも多いそうです。市井の貴重なサブカルチャーとしても、紙芝居の作者の方々に光が当たるのはとても大事なんじゃないかと思いました。

 宮城県図書館のウェブサイトは、宮城県/図書館/表紙

長谷川義史さんの「目標」

 朝日新聞関西の7月20日付けの「旬の顔」、asahi.com: 絵本作家 長谷川義史さん(44)-旬の顔-関西

 これはおもしろい! 長谷川義史さんがこれまでと現在を語られています。長谷川さんが描かれた絵本、最近とても多いと思っていたら、去年は10冊、今年もすでに6冊、刊行されているそうです。うーむ、すごいハイペース。

 とはいえ、絵本を描き始めた当初はなかなか、うまくいかなかったとのこと。中川ひろたかさんの文に絵を描く仕事が一つの転機になったそうです。

背景を細部まで描きこみ、文にだじゃれをまき散らし、本の見返しまで埋め尽くす。持ち前のサービス精神が本領を発揮し始めた。

 うーむ、なるほどなあ。「どこどこどこ」の2冊なんて、超絶的なものすごい描き込みですよね。

 子どものころは絵本に縁がなく、読み聞かせなんて「気色悪い」と思っていたのも、おもしろい。小さいころ絵本に接していない方がむしろ、自由に絵本を描けるのかも。

 掲載されている写真のワークショップの様子も、実に楽しそうでよいです。

長新太さんと安西水丸さんの原画展

 朝日新聞地域情報、7月20日付けの記事、asahi.com : マイタウン静岡 – 朝日新聞地域情報:長新太・安西水丸両氏の原画展

 長新太さんと安西水丸さんの原画展が静岡県伊東市八幡野の「NPO法人アートの里 伊豆高原絵本の家」で31日まで開催されています。展示されているのは長新太さんの『おとしものしちゃった』と安西水丸さんの『あげたおはなし』の計24点で、両方とも中山千夏さんが物語を書いた絵本とのこと。中山さんのトークイベントもあるそうです。

 「NPO法人アートの里 伊豆高原絵本の家」のサイトは、伊豆高原 絵本の家。写真を見る限りでは、とてもアットホームで居心地がよさそう。