またまた「ひいらぎはかせ」シリーズの1冊。今回、「ひいらぎはかせ」は、大竜巻に家ごと吹き飛ばされ、宇宙に飛び出してしまいます。まちのいろんな建物や住人たちも、一緒に宇宙に出てしまうのですが、「ひいらぎはかせ」の奇想天外なアイデアでみんな一緒に地球に戻ります。
今回も、うちの子どもの大好きなアイテムがいろいろ登場。一番おもしろいのは、やはり「うちゅうロケットひいらぎごう」ですね。いや、冷静に考えるなら、そんなバカなと突っ込みどころ満載なのですが、そのユニークな造形とものすごい仕掛け、楽しそうな制作場面など、なんだか工作心をくすぐります。
カバーには、作者のたむらしげるさんの短いエッセイが掲載されていました。題して「空想旅行のすすめ」。「どこでもない世界」を旅した旅行記がこのお話とのこと。地上数センチを浮いているような発想、「空想」科学と呼ぶのがふさわしい物語、そして軽やかな色彩は、たしかに「旅行記」という表現がぴったりかもしれません。
ところで、実はうちの子どもは、数日前に妻と一緒にこの絵本を読んでいたのですが、今日お風呂に入っているとき、まだ読んでいない私にストーリーを説明してくれました。それが、実に楽しそうな語りぶり。少し実際の物語と違っているところもありましたが、ラストのドーナツは、言っていたとおりの楽しいオチでした。うちの子どもは、「ひいらぎはかせ」のシリーズが本当に大好きなんだなあ(^^;)。
▼たむらしげる『ひいらぎはかせとおおたつまき』フレーベル館、1990年