「絵本を知る」カテゴリーアーカイブ

スズキコージさん関連のウェブサイト

 片山健さんと並んで、うちで人気の絵本作家がスズキコージさんです。とても個性的で強烈な造形と色彩が魅力です。

 本当は今日はそのスズキコージさんの絵本を1冊紹介しようと思っていたのですが、仕事が忙しく、記事が書けません。

 でも、せっかくなので、スズキコージさん関連のウェブサイトを3つ、紹介したいと思います。今後も、いろいろ絵本に関するウェブサイトの紹介リンクをやってみようと考えています。

 まずは、スズキコージさん公認のウェブサイトZUKING。プロフィール、イベントや個展の情報、著作リスト、掲示板、さらにはグッズ(缶バッチ! これ、なかなかよいです)の販売もされています。スズキコージさんのイラストなどもあしらわれていて、要チェックです。

 それから、静岡県、浜北市立図書館スズキコージコーナー。なぜここに?と思ったら、スズキコージさんは浜北市生まれで、2001年に浜北市立図書館に壁画を制作されていました。その壁画の写真も掲載されています。他に、市民のみなさんから寄贈された資料(絵本や児童図書の挿絵、雑誌・カレンダー・パンフレットなど)の一部も見ることができます。じっさいの図書館のなかにもスズキコージコーナーがあるようです。

 そして、復刊ドットコム『スズキコージ』復刊特集ページ。復刊リクエストのあった本がリストアップされています。これをみると、たくさんの本が絶版になっていて、それでも、根強いスズキコージファンの多いことが分かります。スズキコージさんの絵本は、好きな人はだんぜん好きだと思います。『クリスマスプレゼントン』という絵本が復刊が決定しているようです。私は読んだことがないので、ぜひ今度、手に取ってみたいです。

 明日はなんとか絵本の紹介を投稿したいのですが、仕事次第ですね。うーん、ちょっとため息です。

絵本をさがす:図書館

 昨日は週に一度の図書館の日。毎週、土曜日か日曜日、二つの公立図書館に交互に行ってます。子どもも自分の図書館カードを作り、絵本を借ります。二つの図書館から借りた絵本が約15冊、うちではいつも枕元に置いてあります。

 で、自宅で買って持っている絵本と合わせて、毎晩、読み聞かせ。まず、夜の歯みがきの前に1冊。うちでは絵本を1冊読まないと歯みがきになりません。いつのまにか、そんな決まりになってしまいました(実はこれがウェブログの名前の由来)。そして、歯みがきが終わってふとんに入ってから、さらに3冊。なぜ3冊かという理由はとくになく、いつのまにかそんなふうになりました。3冊読んでもまだ眠くないときは1冊追加することも、たまにあります。

 というわけで、寝る前に読み聞かせする絵本は、たいてい4冊、ときに5冊。これが1年365日ほぼ毎日ですから、単純計算で4冊×365日=1,460冊! もちろん、違う絵本を読んでいるのではなく、同じ絵本を何度も繰り返し読むわけですが、それにしても、うーむ、あらためて計算してみるとすごい数だ。子どもが大きくなっていつか絵本の読み聞かせも終わるでしょうが、「これ、読んで!」と言われている間は続けていきたいと思っています。

 ともあれ、やはり絵本は買うとなるとかなり値段がするので、本当に図書館の絵本コーナーにはお世話になってます。

 それで、毎週、図書館に通ううちに覚えた、図書館で絵本をさがすときの小技を2つ(といっても当たり前のものですが……)。

 一つは、返却されたばかりの棚のチェック。誰かが借りた絵本ですから、それなりに選ばれる理由のある絵本が並んでいると言えます。たしかに、まあ、趣味に合わない絵本ばかりのこともあるのですが、人気のある絵本をいち早く入手できたりするので、まずはチェックです。

 もう一つ、閉架の絵本がねらい目。図書館によって違うと思いますが、私たちが通っている図書館では、開架で表に出ている絵本はごく一部で、閉架の倉庫にたくさん絵本が眠っています。開架になくても、コンピュータで検索してみると、閉架にはあったりします。また、人気のある絵本でも図書館で複数冊購入して、開架に1冊、閉架に2、3冊所蔵されていることもあります。ですので、図書館で絵本をさがすときは、開架にないからといってあきらめず、閉架も検索してみるのがおすすめです。最近だと、インターネット経由で蔵書検索や貸し出し予約ができる図書館も増えているので、閉架の絵本もさがしやすくなってきました。

 とはいえ、端末を操作するのではなく、絵本コーナーでじっさいに手にとって絵本をあれこれさがすのは、それ自体、楽しいものです。書棚のまわりをうろうろしながら、好きな絵本作家の未知の絵本を見つけたり、ぱらぱら立ち読みして新しい絵本を発見したり……。なんと言ったらいいか、何かはっきりした目的があって本をさがすのではなく、子どものころに自分で図書館に行きはじめたときのあの感覚です。

 でもまあ、子ども連れとはいえ、いい歳をしたおじさんが、図書館の絵本コーナーで「おおっ!」とか「これはすごい!」とかつぶやいているのは、我ながらけっこう不気味ですね(笑)。

すくすく子育て(NHK教育):絵本との出会い

 NHK教育で日曜の午後6時から放送されている「すくすく子育て」。番組のウェブサイトもあります。1月4日のテーマは「絵本との出会い」でした。テーマがテーマなので「これはちゃんと見たいな」と思い、ビデオに録画。ようやく見ることができました。

 今回は0歳児から赤ちゃんと絵本を楽しもうという主旨で、なかなかおもしろい内容だったのですが、「そんなこと言っていいのか?」と疑問に思うところもありました。

 とりあえず、役に立つ情報から……

 まず、私もはじめて知ったのですが、ブックスタートという取り組みが全国各地でおこなわれているそうです。これは0歳児健診のときに赤ちゃんと保護者に絵本を配布していく運動で、2003年12月現在で全国の計573の自治体がすでに実施しているとのこと。長野県茅野市では、出生届を提出するときに絵本を1冊プレゼントするといった取り組みもされているそうです。

 このブックスタート、もともとは1992年にイギリスのバーミンガムではじまり、2001年から日本でも本格的に取り組みがはじまったとのことです。ブックスタートをサポートする団体として、NPOブックスタート支援センターも2001年に設立されています。このNPOのウェブサイトに詳しい説明があります。

 それから、番組では、言葉がまだ分からない0歳児でも十分絵本を楽しめることがいろいろと説明されていました。読み聞かせのコツや、0歳児におすすめの絵本も紹介されていて、これは役立ちます。

 「すくすく子育て」のウェブサイトにも今回の内容の要約がありますが、おすすめ絵本については掲載されていないので、参考のため、以下に書誌情報を挙げておきます。

  • 神沢利子 文/柳生弦一郎 絵『たまごのあかちゃん』福音館書店、1993年、定価780円
  • 真砂秀朗『リズム』ミキハウス、1990年、定価(本体 826円+税)
  • 谷川俊太郎 作/元永定正 絵『もこ もこもこ』文研出版、1995年、定価(本体 1,243円+税)
  • 林明子『おつきさま こんばんは』福音館書店、1986年、定価735円
  • 中川ひろたか 文/100%Orange 絵『スプーンさん』ブロンズ新社、2003年、定価(本体 850円+税)
  • 中川ひろたか 文/100%Orange 絵『コップちゃん』ブロンズ新社、2003年、定価(本体 850円+税)

 0歳児のおすすめ絵本については、上記のNPOブックスタート支援センターのウェブサイトでもたくさん紹介されていました。

 で、私がこの番組で疑問に思ったことなのですが、「ママが読むとよい本」と「パパが読むとよい本」があると説明していたところです。どうやら声が高いが低いかで読み聞かせをしている赤ちゃんの反応が違うということで、「ママが読むとよい本=楽しい、メルヘンなど」「パパが読むとよい本=恐い、冒険など」とされています。これは、京都大学大学院助教授の正高信男さんの研究だそうで、ゲストの東京大学大学院助教授の秋田喜代美さんがそのように紹介していました。

 たしかに、赤ちゃんの発汗作用など科学的なデータの裏付けがあるようですが、でもなあ、なんかおかしくないですか? 問題になっているのは、声が高いか低いかであって、それは「ママ/パパ」とは関係ないんじゃないかなあ。女性にも声の低い人はいるし、男性にも声の高い人はいるわけで、それを「ママ/パパ」に簡単に割り振っていいんだろうか。男性だろうが女性だろうが、内容に応じて読み聞かせの声の表現を工夫すればいいだけでは? この図式、ちょっと問題ありと思います。

 もちろん、番組としては、「絵本が苦手なパパもぜひ絵本の読み聞かせをして下さいね」という主旨なんでしょうが、それを単純に「ママ/パパ」の役割分担につなげていいんでしょうか?

 男性だって「楽しい、メルヘンなど」の絵本を読んでいいし、女性だって「恐い、冒険など」の絵本を読んでいい。こんな窮屈で不自由な読み聞かせはしたくないし、自分の子どもにもそんなつまらないことを教えたくないので、私としては断固、上記の図式に反対です。絵本の読み聞かせって、もっと自由で楽しいものだと思うのですが……

父の友

 以前の「絵本の推奨年齢」で少しふれた「父の友」ですが、図書館で久しぶりに『母の友』を見ていたら、連載記事のなかに「父の友」がありました。紹介によると、「父親が父親に向けて発信するページ」だそうで、3ヶ月ごとに執筆者が交替するそうです。

 もともと『母の友』それ自体、副タイトルに「幼い子を持つおかあさん、おとうさんに。子どもにかかわるすべての人に。」となっていますし、お父さんが読んでもおもしろい記事やためになる記事がけっこう掲載されていますね。

 でもなあ、なんだかんだいっても雑誌のタイトルは『の友』だし、「父の友」のページも3ページくらいしかないしね。やはり、1年に1度くらい増刊で『の友』をぜひ出してほしいところです。けっこう売れると思うのですが・・・。

絵本の推奨年齢

 「ひねもすのたりのたりかな」のFFへんしゅ~ちょさんにうちのブログを紹介していただきました。ありがとうございます。ココログではあまり絵本の話題とか見かけないのですが、やはり、ココログを利用しているのは若い人が多いのかなと思います。

 ところで、FFへんしゅ~ちょさんも書かれていましたが、絵本についている「推奨年齢」、これは、たしかに「謎」ですね。出版社によって違うようで、とくに推奨年齢がついていないものもけっこうありますが、最大手(?)の福音館書店の絵本にはたいてい裏表紙に書いてあると思います。しかも、福音館は、「読んであげるなら」と「自分で読むなら」の二つにしていて、実に丁寧(?)。「3才~小学校初級向き」といった書き方になっています。

 福音館のウェブサイトをのぞいてみましたが、どうやって年齢設定しているのか、とくに説明はないようです。ただ、福音館では、月刊絵本誌をいっぱい出していて、これが、たぶん推奨年齢設定に関係しているのかなと思います。

 ざっと挙げてみると、『こどものとも 012』(10ヵ月から2才向き)、『こどものとも 年少版』(2才から4才向き)、『こどものとも 年中向き』(4才から5才向き)、『こどものとも』(5才から6才向き)、『おおきなポケット』(小学校1、2年向き)、『たくさんのふしぎ』(小学校3年生から)、となっていて対象年齢が細かく分かれています。中身も、たとえば文字の量とか一つのページのなかでの絵のレイアウトの仕方とか、たしかに、それぞれの雑誌によって微妙に違っています。福音館は、月刊絵本誌に掲載されたものをしばらくしてから「傑作集」として単行本にしたりするので、それで割に細かく年齢設定するのかもしれません。

 とはいっても、どうやって、それぞれの月刊絵本誌に掲載されるものが分類されているのかは、やはり「謎」。絵本作家さんに依頼するときも「今度は3才向きに」とかお願いするのでしょうか。もしかして児童文学や児童心理学の専門家がアドバイザーについていたりするんだろうか・・・うーむ。

 それはそれとして、あらためて考えてみると、ふつうの雑誌(女性誌とか男性誌とか)のように対象年齢が細かく分かれるのは、出版社にとっては一つの営業戦略なのかもしれません。上記の福音館の月刊絵本誌は、幼稚園を通じての定期購読も多いようで、うちの子どもが通っている幼稚園でも配布されています。で、これも、園児が年少さんか年中さんか年高さんかによって、配られる絵本誌が違うんですね。

 いや、もちろん、これは、たとえば福音館を非難しているわけではないです(念のため)。むしろ、いろんな月刊絵本誌が公刊されているのは、非常にいいことと思っています。図書館に行ったときも、うちの子どもは、幼稚園では配られていない福音館の月刊絵本誌を読んだりして楽しんでいますし、書店で買うときもあります。

 余談ですが、図書館で私もたまーに福音館の雑誌『母の友』とかのぞいたりします。『父の友』は刊行されていないのですが、1年に1回とか増刊号で出すとおもしろいと思うのですが・・・。

 話を推奨年齢に戻すと、(当たり前ですけど)子どもにとっては、推奨年齢が何歳だろうが、関係ないですね。中身がおもしろそうだったら、「これ、読んで!」です。私自身も、図書館や本屋で絵本を選ぶとき、そこに記されている推奨年齢を見ることはあまりないです。まだ小さな乳児のときはそうでもないでしょうが、子どもがある程度大きくなると、直感というか、絵の印象や文字の量で決めてます。