この絵本、2年ほど前にも簡単な紹介のエントリーを書いています。稲田和子/川端健生『しょうとのおにたいじ』です。
そのときは、いろいろ謎があるなあと思っていたのですが、最近、やっと分かりました。うちの子どもと一緒に読んでいて、ハッと気が付いたのですが、鬼が「3匹」というのは、そういうわけだったんですね。地の文には何も語られていませんが、絵のなかにさりげなく描き込まれています。
もう一つ、この絵本の裏表紙もまた、物語の結末を表現していることに気付きました。本文は、鬼退治の少しだけ残酷な描写で終わっているのですが、裏表紙には、その後の「しょうと」の姿が描かれていると思います。「しょうと」がどこにいるかがポイントかなと思いました。
上記の両方とも、文には表されることなく、絵のみによって表現されています。川端さんの絵の描写は、なかなかすごいです。
というか、このくらい最初に読んだとき気付よ、自分、って感じですね(^^;)。
▼稲田和子 再話/川端健生 画『しょうとのおにたいじ』「こどものとも」1996年2月号(通巻479号)、福音館書店、1996年、[印刷・製本:精興社]