稲田和子/川端健生『しょうとのおにたいじ』

 3冊目。子どもを食べられてしまった「しょうと」の鬼退治の物語。「しょうと」というのは、鳥のほおじろのことで、中国地方での呼び名だそうです。この絵本、いろいろ謎があります。最初に出てくる「おじぞうさん」はどうして鬼退治にいっしょに行かないのか? 赤鬼、青鬼、黒鬼の3匹が「しょうと」の子どもをのみこんでいるのに、どうして退治されるのは赤鬼だけなのか? うーん、何かありそうです。

 それはともかく、川端健生さんの絵がよいです。おさえた色合いにかすれた筆致、キャンバス(?)の生地がそのまま生かされていて、昔話の雰囲気を出しています。

▼稲田和子 再話/川端健生 画『しょうとのおにたいじ』「こどものとも」1996年2月号(通巻479号)、福音館書店、1996年

稲田和子/川端健生『しょうとのおにたいじ』」への2件のフィードバック

  1. 挿絵を描かれた川端健生先生は、私の恩師です。今年で亡くなられて10年が経ちました。2006年1月には京都市美術館で「没後10年 川端健生展」が開催されます。よろしかったら是非!

  2. Jiriさん、コメントをありがとうございます。またレスポンスがたいへん遅くなり、すいません。実は私は、川端さんの絵はこの絵本でしか知らないのですが、展覧会が開催されるんですね。ぜひ行ってみたいところなのですが、うちから京都は遠くて無理そうです。せっかく紹介していただきながら、すいません。でも、川端先生の教えを受けた方から、こんなふうに情報を教えてもらえるのは、ウェブログならではですね。本当にありがとうございます。

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