山形の昔話をもとにした絵本。原話の語り手もおられて、山形県小国在住の川崎さんという方だそうです。最初は1982年に刊行され、その後、「こどものとも(年中向き)」1993年10月号で第2刷が発行されました。うちで持っているのはこの第2刷。「さる」とカエルの「びっき」が田んぼを作るというストーリーで、なぜサルのほっぺたとおしりが赤いのか、その由来がおもしろく語られています。
物語はもちろん、梶山さんの絵がまたすばらしい。シンプルな線がユーモラスに「さる」と「びっき」を描き出し、肌色の地の紙面に限定された色使いで季節の移り変わりが表現されています。この絵本、おすすめです。
▼武田正 再話/梶山俊夫 画『さるとびっき』「こどものとも(年中向き)」福音館書店、1982年