《こどものとも》傑作集の一冊。雪国に訪れた最初の春の息吹を描いた絵本です。同じモチーフの絵本としては『はなをくんくん』が有名と思います。『はなをくんくん』は躍動感あふれる歓喜に満ちた描写でしたが、『いいことって どんなこと』はたいへん静謐な描写になっており対照的だなと思いました。じっさいに雪国を知る者としては、『いいことって どんなこと』の方がしっくりきます。主人公の女の子の表情(あるいは無表情)がよいです。この絵本、おすすめです。
▼神沢利子 さく/片山健 え『いいことって どんなこと』福音館書店、1993年