マンロー・リーフ『けんこうだいいち』

 先に読んだ『おっと あぶない』の姉妹編。こちらのテーマは健康と病気です。いわば「しつけ絵本」ですが、『おっと あぶない』と同様にユーモラスな描写と説明。しかも、大事な点はほとんど網羅されていると思います。

 今回も「まぬけ」が登場。たとえば「すききらいまぬけ」「しんぱいまぬけ」。あと「ねこぜさん」「ぐにゃりさん」なんてのも出てきます。うちの子どももニヤリとしていました。

 『おっと あぶない』もそうでしたが、冒頭部分が印象的。元気なときは健康のことをあまり考えないけれども、普段から気を付けることが重要と述べています。そのあとの部分を引用します。

あかんぼうのときは、
たべることも
きることも
うんどうすることも、
きれいな くうきを
すうことも、
おふろに はいって
きれいになって、
ベッドでゆっくり
ねることも
なんもかも だれかが やってくれます。
ところが……
だんだん おおきくなって、
いろんなことを おぼえてくると、
じぶんのことは じぶんで できるようになります。

 自分のことは自分でできる、だから健康のことも自分で普段から気を付けようと、自立を促す記述。それも単に「自立」を唱えるのではなく、赤ちゃんと対比させることで感覚的に分かりやすいように思いました。(考えすぎかもしれませんが)逆に言うと、いつでも誰もが自立できるわけではなく、必要なばあいには当然、周りの人びとが必要なケアをしないといけないことも伝えていると思います。

 『おっと あぶない』と比べると、全体を通じてだいぶ文書の量が多く、絵は比較的少なめ。テーマが健康だからでしょうか、視覚的に説明するというよりは、文章で説明するところに比重がかかっていると思いました。とはいえ、子どもにとって親しみやすく分かりやすいのは『おっと あぶない』と同じです。

 原書”Health can be Fun”の刊行は1943年。この原題は『おっと あぶない』と類似の表現(あちらは”Safty can be Fun”)ですが、的確に核心を突いており、すばらしいと思います。邦題もシンプルでよいですが、原題の方が、説教臭くないこの絵本の魅力をよく伝えている気がしました。

▼マンロー・リーフ/渡辺茂男 訳『けんこうだいいち』フェリシモ、2003年

マンロー・リーフ『けんこうだいいち』」への2件のフィードバック

  1. 『はらぺこ あおむし』、はばたく わたし!

    どようびのしあわせって、これだよね!
    (・・・とは、うちのグッドラックの言葉)
    本、って、どんな本でも、「であうべき時」ってあるじゃない?
    たいていは…

  2. 『はらぺこ あおむし』、はばたく わたし!

    どようびのしあわせって、これだよね!
    (・・・とは、うちのグッドラックの言葉)
    本、って、どんな本でも、「であうべき時」ってあるじゃない?
    たいていは…

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