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アーサー・ガイサート『洪水のあとで──ノアたちのその後──』

 以前読んだ『ノアの箱船』の続編。アララト山にたどり着いたその後が描かれています。人間も動物もみんなで協力し合いながら、新しい世界を築いていく姿が印象的。箱船を山からおろし、ひっくり返して家にしていくところは、視覚的にもおもしろいです。遠くから雄大に描写したり近くに接近したり、視点の移動もダイナミック。

 美しい銅版画には、前作と違って全体にわたり彩色がほどこされています。それは、虹が神の祝福、希望のしるしであったことと関連し、また洪水をへて世界がいわば浄化され、そして復活したことを表しているかのようです。

▼アーサー・ガイサート/小塩節、小塩トシ子 訳『洪水のあとで──ノアたちのその後──』こぐま社、1994年

アーサー・ガイサート『ノアの箱船』

 旧約聖書の創世記をモチーフにした絵本。とはいえ、宗教的な要素はそれほど強くありません。

 銅版画の圧倒的な美しさに目を奪われます。巨大な箱船をヨコにタテに輪切りにしたり、視覚的にもおもしろい。ノアの家族と、そしてたくさんの動物たちがていねいに描き込まれています。

▼アーサー・ガイサート/小塩節・小塩トシ子 訳『ノアの箱船』こぐま社、1989年