川端誠『ばけものつかい』

 川端誠さんの落語絵本シリーズの1冊。ご隠居の人使いならぬ、「ばけものつかい」がおもしろいです。

 お話はだいぶ理解しやすいと思うのですが、うちの子どもはオチがよく分からず、説明してようやく合点がいったようです。落語絵本シリーズで以前読んだときも、そんな反応でした。どうも、うちの子どもにはまだ難しいようです。

 それでも、うちの子どもは、このシリーズが大好き。図書館でも自分で持ってきます。川端さんの骨太でユーモラスな筆致に惹かれるんですね。

 この絵本でも、ご隠居が、一つ目小僧やろくろっ首や大入道をビシバシ働かせる画面は、縦長の構図の繰り返しとそのなかの描写の変化がリズミカル。マンガのようなニュアンスもあります。なかでも楽しいのが大入道。画面から大きくはみ出る巨体なのに、ご隠居にこき使われいて、それが、なんとも可笑しいです。

 巻末の「あとがき」には、落語と絵本の類縁性が語られていました。なかなか興味深いです。短い文章ですが、必見かも。

▼川端誠『ばけものつかい』クレヨンハウス、1994年(初出:月刊『音楽広場』1993年12月号「おはなし広場」)

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