「ぼく」と「ぼく」が昨日ひろった子猫の「チマチマ」に朝が訪れるという物語。「ぼく」のまちが少しずつ明るくなり、だんだんにぎやかになっていく様子が描写されています。地平線の向こうからは、鳥や牛やバスや汽車といったごくふつうのものだけでなく、大小の太鼓やラッパやアコーディオンやスープも手足や顔付きでやってきます。なんとも不思議な雰囲気。
建物のかたちからすると、「ぼく」が住むのは中近東の砂漠のまちでしょうか。市場のお店が開いて、いろんな人たちがまちなかにだんだんと出てきます。小さく描き込まれた人びとの営みもおもしろい。
そして、最後に現れるのが太陽。複数ページにわたって少しずつ地平線上に上がってくるのですが、とぼけた表情でどうやら砂漠を歩いています。この太陽が実に大きくて明るくあたたかで、「ぼく」と「チマチマ」のこれからはじまる1日を祝福しているかのようなラストです。
▼荒井良二『ぼくとチマチマ』学研、2004年
どうもです。
荒井良治さんの絵は、いつも不思議な雰囲気がしますね。で、町並みが中近東のようだというのも、よくありませんか?『はっぴぃさん』という絵本でも、なんだか中近東を思わせる風景のような気がします。
第13冊 『びびび絵本』プロジェクト:『いちにちのはじまり』
みなさん、こんばんは。
更新が滞ってしまいました。スイマセン。
今日はテーマを発表します。
第13冊のテーマは、
『いちにちのはじまり』
です…
コメント、ありがとうございます。
中近東の風景のこと、たしかに『はっぴぃさん』もそうですね。あと、たしか『バスにのって』もそうだったと思います。
荒井さんが物語も文も絵も担当した絵本に多いような気がします。基本モチーフの一つと言えるかもしれませんね。