樋口淳/片山健『あかずきん』

 今日は2冊。ご存じ「赤頭巾」のお話。巻末の「あとがき」によると、「赤頭巾」にはペローとグリムの二つの型があり、それに対して、この絵本はフランスのトゥーレーヌ地方の語りをもとにしているそうです。そのため、一般に知られている「赤頭巾」のお話とは細部がいろいろ違います。世界各地の民話や日本の民話とも共通のモチーフが見られるそうで、おもしろい。とはいえ、この絵本の「おおかみ」は、かなり恐いです。うちの子どもはそんなに恐くないと言ってましたが、私は「えーっ!」とのけぞりそうになりました。絵は、よく見ると部分的にコラージュされていて、片山健さんの絵のなかでは珍しいのではないでしょうか。主人公の「あかずきん」があまりかわいく描かれていないのも、新鮮です。
▼樋口淳 文/片山健 絵『あかずきん』ほるぷ出版、1992年

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