今日は3冊。この絵本は「武井武雄絵本美術館」シリーズの1冊。ある高い山の上にある大きな一本のクスノキ。夜には小鳥の宿になり、下に生えている小さな草花たちを雨や風から守っていたのですが、殿様のお城を直すために切られてしまうという物語。草花たちは、自分たちがクスノキに助けられて生きていることをまったく分かっておらず、結局、枯れていきます。ラストシーンも象徴的で、少し教育的と言えるかもしれません。絵は、顔がおもしろい。殿様の顔、太陽の顔、草花にも顔がついていてシュールです。でも、クスノキには顔は描かれていないんですね。
▼武井武雄 絵/吉田絃二郎 原作/宮脇紀雄 再話『たおされた き』フレーベル館、1998年