あべ弘士『雪の上のなぞのあしあと』

 今回もうちの子どもは謎の足跡の正体に大受けしていました。おもしろいよなー。でも、この正体、なかなかかわいいです。つぶらな瞳がまたよいです。

 ところで、表紙とその見返しまた裏表紙の見返しには、一匹の動物が描かれています。表紙では、動物園に向かっててくてく歩いているみたい。これはキツネかな。おそらく動物園のまわりにも北国の野生の動物たちが生息しているのでしょう。これもまた、北国の動物園の魅力の一つなのかもしれません。

 本文では宿直の仕事について次のように書かれていました。

まっくらで、まわりには いろんな どうぶつがいて、にんげんは ぼく ひとり。
こわいだろう、だって? とんでもない!
この しゅくちょくは ぼくの いちばんの たのしみなんだ。

ゾウ、ライオン、ヘビ、トリ……だいすきな どうぶつたちに かこまれている ぼく。
みんなは ぼくのことを にんげんの だいひょうと おもってくれている。
そして ひとばんじゅう はなしかけてくる。

 動物たちに対するあべさんの愛情がよく伝わってきます。

▼あべ弘士『雪の上のなぞのあしあと』福音館書店、1989年

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