長新太『ねむる』

 まくら、ふとん、トイレ、牛乳パック、カップ、服、テレビ、掃除機、靴、クルマ、ビル、山、そして地球も、みんな眠ります。主人公の「ぼく」はこう言っています。

ぼくは いろいろなものは、
みんな いきている とおもう。
だから ねむることもある。

なるほど。そんなバカなと思わずに、「ぼく」の言うとおりにまわりのものを見直してみると、少し楽しくなるかも。画面で使われているのは、黄と青と黒の3色のみ。輪郭線が2色で二重になっていたり、またずらして色が付けられたりしています。目がチカチカしそうですが、とても不思議な感覚になります。ラストページは必見。長さんならではのむすびです。
▼長新太『ねむる』文溪堂、2002年

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