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高知県立図書館が「大人のための絵本」コーナーを開設

 1月13日付けの高知新聞の夕刊記事、高知新聞ニュース■生活に役立つ県立図書館 丸地館長が新機軸次々■によると、高知県立図書館では、「大人のための絵本」コーナーが今月末まで開設されているそうです。

 記事の主要部分は、昨年4月に館長に就任された丸地真人さんの様々な新機軸の紹介です。丸地さんは、かの有名な浦安市立図書館の司書をされていた方で、異例の登用で館長に招かれたとのこと。丸地さんの年齢は、なんと41歳! これは大抜擢なんじゃないでしょうか。よくは分かりませんが、公立図書館の館長というと、それなりに年配の方が多い気がします。41歳の若さは、かなりの驚きです。もしかして、都道府県立図書館のなかでは最年少の館長だったりして。

 しかし、その若さと浦安市立図書館での経験を生かして、斬新な取り組みをされているようです。浦安市立図書館といえばビジネス支援が割と有名と思いますが、高知県立図書館でもさっそくビジネスコーナーが設けられているようです。

 で、「大人のための絵本」コーナーですが、これは企画展の一つ。高知県立図書館のサイト、高知県立図書館 Kochi Prefectural Libraryを見てみると、戌年にちなんだイヌ関連のコーナーや南海地震やアスベスト、鳥インフルエンザ、「功名が辻」など、アクチュアルなテーマでいろいろな展示が行われています。うーむ、すごいですね。上記の記事にも書いてありましたが、大型書店なみの充実ぶりです。

 「大人のための絵本」コーナーについては、柳田邦男さんの『砂漠でみつけた一冊の絵本』で取り上げられている絵本を中心にしていると説明がありました。高知新聞の記事に載っている丸地さんの言葉では、12月は自殺者が一番多いと知ったことが開設のきっかけだそうです。「厳しい社会でまいっている大人に、絵本の力で元気になってもらいたい」とのこと。実際、コーナーで読みふける大人の男性もいるそうです。

 サイトでの説明を少し引用します。

 「絵本は子どもが読むもの」そう考えていらっしゃる方はいませんか?

 よく考えて創られた絵本はとても奥深く、大人にも大きな感動を与えてくれるものです。
 年末年始にかけて楽しいイベントが目白押しの中で、様々な悩みを抱えていらっしゃる方も 少なくありません。大人に生きる力を与えてくれる絵本をご紹介することも図書館の役割の一つです。

 まったくその通りですね。この展示が、これまで絵本に縁のなかった大人に、絵本の奥深さと広がりを知る機会になるなら、素晴らしいと思います。

 ただ、ちょっとひねくれた見方かもしれませんが、「大人に生きる力を与えてくれる絵本」という表現には、若干の抵抗を感じます。いや、本当に私の感覚が歪んでいるのかもしれませんが、「生きる力」というのが、どうもなー。

 うーむ、この違和感をどう説明したらよいのか、よく分からないのですが、なんとなく絵本=癒しというフォーマットが醸成されている気がしてしまうのです。もちろん、癒しの要素は大きいとは思いますが、でも、個々の絵本のポテンシャルはそれに収まるものではないような……。いや、なんだか無意味なケチをつけている気もしますね。すいません。

 それはともかく、高知県立図書館、これからの展開に注目です。