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松竹いね子/堀川真『じかきむしのぶん』

 「じかきむしのぶん」が卵から生まれて成虫になるまでを描いた絵本。といっても、科学絵本というわけではありません。もちろん、じっさいの「じかきむし」の生態をふまえているのでしょうが、トンボや蝶が「いっしょに あそぼうよ」とまだ幼虫の「ぶん」を誘ったりします。色もカラフルで楽しい雰囲気です。実は私は、この絵本を読むまで「じかきむし」という虫のことをまったく知りませんでした。そういう虫がいること自体、はじめて知ったくらいです。名前の由来は、幼虫が葉のなかを食べ進んだ跡がまるで字を書いたようになっているからだそうです。「ぶん」が葉っぱを食べていく場面は、歌みたいな文を付いていて、これがまた、なんだか生命を感じさせます。

さくさく さくさく さくさく
 
さくさく たべると トンネルできる
さくさく たべると うんちも でるよ
ぽと ぽと ぽと

▼松竹いね子 作/堀川真 絵『じかきむしのぶん』「こどものとも年中向き」2003年7月号(通巻208号)、福音館書店、2003年