福音館書店の「びじゅつのゆうえんち」シリーズの1冊。20世紀の芸術作品に描かれた「まる」が全部で14作品、集められています。巻末には、取り上げられた作品の基本情報と説明が載っていました。はじめて接する作家さんの名前もたくさんあります。
「まる」という一見したところ単純なかたちでありながら、実に多様な表現があり、おもしろいです。大月さんのあとがきから少し引用します。
まるをかくには、とてもかんたんです。どこからかきはじめても、はじめとおわりをむすべば、ほら、できあがり。[中略]たくさんかけば、もようをつくることだってできます。まるに線をつけくわえると、人やモノのかたちにちかづきます。まるはたんじゅんですが、わたしたちに、いろいろな想像をさせてくれる、ふしぎな力をもったかたちです。
この絵本、裏表紙には「読んであげるなら 4才から じぶんで読むなら 小学校初級から」と記されていましたが、うちの子ども(5才)にはあまりうけませんでした。文章がほとんどなく、かたちや色を楽しむことからすると、むしろ、もっと小さい子どもやあるいは赤ちゃんの方が楽しめるかもしれません。
▼大月ヒロ子 構成・文『まるをさがして』福音館書店、2004年