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バーバラ・ヘイズン/トミー・ウンゲラー『魔術師の弟子』

 今日は3冊。以前読んだ『ラシーヌおじさんとふしぎな動物』もなかなか強烈でしたが、ウンゲラーさんのこちらの絵本もかなりのインパクト。留守番を頼まれた魔術師の弟子の「フンボルト」、雑用の楽をしようと魔術の本を見て呪文を唱えるのですが、それが大失敗。ライン川を見下ろす魔術師の城が水浸しになってしまいます。
 物語はそんなに恐くありませんが、絵がすごい。ページのあちらこちらに不穏なものや気味の悪いものがたくさん描き込まれ、よーく見ると薄暗がりには怪物の目や口が開いています。魔術師の城なので、こわーい実験室なんかもあります。まさにスプラッター絵本。
 とはいえ、なんとなくユーモラスなところがあり、恐いモノ見たさというか、恐いんだけれどもついつい見たくなる、そんな魅力に満ちています。うちの子どもも「恐いねー」とか言いながら、一人でページをめくって楽しんで(?)いました。
 原書の刊行は1969年。この絵本、おすすめです。
▼バーバラ・ヘイズン 文/トミー・ウンゲラー 絵/たむら りゅういち あそう くみ 訳『魔術師の弟子』評論社、1977年