こちらの絵本も、うちの子どもが小さいときに、セリフを覚えてしまうくらい何十回も読んでいます。今日はだいぶ久しぶりに読みました。イノシシの「いのっぺちゃん」が自転車に乗って走り、いろんな動物たちにぶつかりそうになりながら(何回かは本当にぶつかります)、自転車の乗り方や交通ルールを学んでいくという物語。このようにまとめると、なんだかしつけ絵本のようですが、教育的要素はそれほど強くありません。むしろ、クレヨンのような画材であたかも殴り書きのように激しく描き出された絵が、実に躍動感にあふれていて、純粋に楽しめます。ゾウやサイ、キリン、ワニ、ゴリラと、登場する動物たちも、かたちが崩れるのもおかまいなしに、ぐいぐいと描かれ、画面からはみ出しそうな勢いです。この絵本を毎日のように読んでいたころのうちの子どもの大のお気に入りは、電車の画面。
ごうごうと おとを たてて、
まんいんでんしゃが とおります。
ここが大好きだったんだよと話をしたら、うちの子どもはまったく覚えていませんでした(^^;)。
▼わたなべしげお さく/かとうちゃこ え『ぶつかる!ぶつかる!』「こどものとも」1995年6月号(通巻471号)、福音館書店、1995年