このウェブログは絵本をテーマにしています。絵本の話題からははずれますが、アメリカのパウエル国務長官のインタビューを読んで、「良識」について考えさせられました。JNNの単独インタビューの記事を引用します。
JNNとの単独会見に応じたパウエル国務長官は3人が解放されたニュースを聞いて、「とても喜んでいます。日本人人質のことを心配していたので、無事解放され、とてもうれしい」と語りました。
また、パウエル長官は日本人人質とは反対にイタリア人民間人1人が殺害されたことに弔意を表すとともに、日本、イタリアの両首相が誘拐グループの部隊撤退要求に応じなかったことを高く評価しました。
[中略]
さらに日本の一部で、人質になった民間人に対して、「軽率だ、自己責任をわきまえろ」などという批判が出ていることに対して、「全ての人は危険地域に入るリスクを理解しなければなりません。しかし、危険地域に入るリスクを誰も引き受けなくなれば、世界は前に進まなくなってしまう。彼らは自ら危険を引き受けているのです。ですから、私は日本の国民が進んで、良い目的のために身を呈したことをうれしく思います。日本人は自ら行動した国民がいることを誇りに思うべきです。また、イラクに自衛隊を派遣したことも誇りに思うべきです。彼らは自ら危険を引き受けているのです。たとえ彼らが危険を冒したために人質になっても、それを責めてよいわけではありません。私たちには安全回復のため、全力を尽くし、それに深い配慮を払う義務があるのです。彼らは私たちの友人であり、隣人であり、仲間なのです。」と述べています。
この記事の日付は 16日 16:26。同じ16日の 13:04 付けの時事通信の記事では、小泉首相は次のように語っていました。
小泉純一郎首相は16日午前、解放された3人が政府の渡航自粛の呼び掛けを聞かずにイラク入りしたことに対し、「昼夜24時間態勢でいかに多くの人が取り組んだか。退避勧告を無視して出掛けた方に良く考えていただきたい」と苦言を呈した。3人が解放後も「イラクに残りたい」などと語ったことについては「これだけ多くの政府の人たちが寝食を忘れて努力しているのに、なおかつそういうことを言うのか。自覚というものを持ってもらいたい」と述べた。首相官邸で記者団に語った。
もちろん、アメリカと日本、置かれた状況が違うでしょうから簡単に比べることはできません。
とはいえ、国家の指導者層の発言として、どちらがバランスのとれた良識ある発言かは明らかであると思います。
手元の辞書を引いてみると、「良識=健全な判断力」(『新明解 国語辞典 第4版』)と出ていました。