しりとりが大好きで、何でもしりとりになってないと気が済まない王様の物語。食事も、すべての料理がしりとりの順番で出さないといけないので、家来やコックたちは、てんてこまい。おまけに、料理の最後は、これまた王様の大好きなプリンで終わらないとならないのです。もちろん、しりとりですから、料理の名前が「ん」で終わっているものは(最後のプリンは別として)許されません。たとえば「ラーメン」は御法度。そんな王様に困り果てた家来たちは、一計を案じます。
この絵本、子どもと一緒にしりとりを確認しながら読んでいきました。表紙や、本文の王様を紹介する最初のページも、よく見ると、描かれたものがちゃんと、しりとりになっています。
王様の我が儘やそれに振り回される家来たちの様子も、軽快な筆致で描写され、なかなかユーモラス。うちの子どもにも受けていました。
でも、一つ疑問だったのは、「プリン」の前の料理は何だろう?ということ。うちの子どもと一緒にうんうん考えていたら、妻が一言、「ケチャップ」。おー、さすがー。
ところが、うちの子ども曰く「ケチャップはそのままでは食べないよ!」。あ、そうだねえ、じゃあ、なんだろう? また考えていると、妻が「ポークチョップ」。おー、これは大丈夫だね。でも、ポークチョップの前の食べ物は何だろう? またまた考えていると、妻が「きりたんぽ」。さすがー。
「き」が最後に来る食べ物はいろいろありそうなので、これでばっちり。つまり、「プリン」←「ポークチョップ」←「きりたんぽ」ですね。みなであれこれ考えるのは、なかなか楽しいです。ちょっと食い合わせが悪いかな(^^;)。
あ、いま裏表紙を見ていて気が付いたのですが、「プリン」←「スープ」というのも、いいですね。でも、「す」で終わる料理って何だろう?
▼中村翔子 作/はた こうしろう 絵『しりとりのだいすきなおうさま』鈴木出版、2001年