アーノルド・ローベル『いたずら王子バートラム』

 いたずらばかりしてまわりを困らせている「バートラム王子」。ある朝、空を飛んでいる魔女を黒い鳥と間違えてパチンコを打ってしまい、怒った魔女の呪文で小さなドラゴンに変えられてしまいます。お城から逃げ出した「バートラム」は森に向かうのですが……という物語。
 「バートラム王子」のいたずらぶりがなかなか強烈。うちの子どもも「僕はこんな悪いことはしない」と言っていました。「バートラム王子」、もう目つきからして違います。表紙にも描かれているのですが、ちょっと凶悪な人相で本当にワルそう。最後はドラゴンから人間に戻ることができるのですが、もとに戻ってからはかわいい王子さま。表情もニコニコしています。この対比がおもしろいです。でもまあ、いたずらっ子なところも残っているといいなと思いました。原書の刊行は1963年。
 ところで、訳者の湯本香樹実さんはもともと小説家、この絵本ははじめての翻訳絵本とのこと。だいぶ以前に湯本さんの小説が原作でもう亡くなった相米慎二さんが監督された映画『夏の庭』を見たことがありました。私は相米さんの映画が割と好きなのですが、『夏の庭』も、登場する子どもたちの生き生きとした姿と三国連太郎さんが演じたおじいさんが記憶に残っています。
▼アーノルド・ローベル/湯本香樹実 訳『いたずら王子バートラム』偕成社、2003年、[装丁:丸尾靖子]

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