ウィリアム・スタイグ『空とぶゴーキー』

 今日は1冊。お父さんとお母さんが出かけてしまったあと、台所を実験室にして「ゴーキー」が作り上げた金色の液体。香水瓶に詰めておまじないをかけると、瓶を握りしめた「ゴーキー」の体は空に上っていくという物語。
 「ゴーキー」はカエルなんですが、その体がフワリフワリと浮かび上がっていく様子は実に気持ちよさそう。空を飛ぶと言っても、スーパーマンのようにぐんぐん飛ぶのではなく、あたかもシャボン玉のように浮かぶ感じです。見開き2ページで空間を広くとった画面が、そのなんともいえない浮遊感を表しています。飛んでいる(or 流されていく)ときの「ゴーキー」のかっこうも、横になったり縦になったり斜めになったり、水のなかでプカプカ浮かんで泳いでいるようでおもしろい。その様子をあぜんとして見守る他の動物たちもおかしいです。
 物語のオチは、「ゴーキー」がどうやって地上に戻るか。なるほどね、と納得の結末です。原書の刊行は1980年。
▼ウィリアム・スタイグ/木坂涼 訳『空とぶゴーキー』セーラー出版、1996年

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