ウィリアム・スタイグ『ザバジャバ ジャングル』

 今日は1冊。誰も入ったことがないという「サバジャバジャングル」。主人公の「レオナルド」は、不思議な動物や植物と出会ったり、いろんな危機を乗り越えて、先を進んでいきます。この絵本、まず設定がおもしろい。最初「レオナルド」は、どうして自分がジャングルにいるのか自分でも分からず、それでも「とにかく すすまなくちゃ!」ということでどんどん歩いていきます。物語の最後になってジャングルにいる理由が明らかになるのですが、いろいろ謎が残ります。説明があまりなくて、なんだか魔法をかけられたような感じ。それはまた、先に何が現れるかまったく分からない未踏のジャングルを進む「レオナルド」と同じ境遇で、おもしろいです。絵は、濃密なジャングルの草木の合間にいろいろ生き物が描き込まれていて、これも楽しい。カラフルな色合いで草木にまぎれているので、発見があります。うちの子どもは、怪獣の化石の「おしりのあな」に受けていました。好きだねえ。原書の刊行は1987年。
▼ウィリアム・スタイグ/おがわえつこ 訳『ザバジャバ ジャングル』セーラー出版、1989年

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