インターネットをさまよっていたら、おもしろいものを見つけました。
個性的な絵本を出版されているビリケン出版から昨年(2003年)の12月に刊行された『絵本の素』です。
案内文を引用します。
この本は「ビリケン出版」から出ている絵本と同じサイズ、同じページ数です。
表紙、見返し、扉と続き いよいよ本編のはじまりです。ルールは 何もありません。
さあ まっ白な世界に はじめの一歩を踏み出しましょう。
これ、表紙も裏表紙も見返しも本文も何も描かれていない真っ白い絵本です。つまり、表紙からはじまってすべて自分だけの手作り絵本を作ることができるわけです。
子どもといっしょに絵本を描いてみたりとか、楽しい使い方がいろいろ考えられそうです。上製本(サイズは260×220㎜)で全部で32ページあるので、かなり本格的な絵本作りもできますね。絵本に関するサークルや学校や図書館などのワークショップで使ってみてもいいかもしれません。
ちょっと思ったのですが、何も描かないまま持っていても、なんだか楽しそうな気がします。真っ白い絵本をぱらぱらめくってみる、まだこの世にない絵本を想像してみる、それ自体が楽しいかもです。
あるいは、この白い絵本をじっさいの描かれた絵本を比べてみることで、絵本の表現の技法をあれこれ考えられそうな気もします。
この絵本、帯はついていて、スズキコージさんが帯のタイトル字と絵を描かれています。サイトの写真をよーくみると、帯の右下には「オンリーワン・アート・ブック」の文字があります。なるほどなーって感じです。
サイトのニュース記事では、「素敵なのが出来たら見せて下さい? 楽しみにしています」とも書かれていました。本当に受け付けるのかな? もしかして、この『絵本の素』をきっかけに新人絵本作家さんが生まれたりするかもしれませんね。こういう遊び心あふれる企画、なんか、いいです。
▼『絵本の素』ビリケン出版、2003年