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講談社がコンビニで絵本を販売(その2)

 先日のエントリー、「講談社がコンビニで絵本を販売」でふれたコンビニでの絵本販売ですが、YOMIURI ONLINEの9月11日付けの記事、絵本はコンビニで : 出版トピック : 本よみうり堂 でも取り上げられています。

 記事によると、すでに2004年末に講談社はコンビニで絵本の販売を始めているそうです。写真も掲載されていますが、回転式の専用棚を用意しているとのこと。

 出版社側の事情としては、先のエントリーでも紹介したのと同じく、絵本販売の新規ルートの開拓ですね。今回の記事では、コンビニ側の事情として、昼間の売上増とイメージアップの2点が挙げられています。実際、幼稚園の近所や病院内のコンビニでは絵本がよく売れているとのこと。なるほどなーと納得です。

 また、記事では、これまで絵本販売の中核を担ってきた中小書店の減少により、ここ数年、絵本の売り上げが伸び悩んでいることが記されていました。

 思うのですが、中小書店が減少していった背景要因には、郊外型の大規模書店の進出やネット書店利用の拡大と並んで、コンビニの普及もあったように思います。つまり、通常の書籍については大規模書店やネット書店にお客を取られ、雑誌やマンガについてはコンビニにお客を取られるという構図です。

 そうしてみると、コンビニも一つの要因となって絵本の販売ルートが縮小していき、それに対応するために、コンビニで絵本を販売していくというわけで、なんだか皮肉な展開にも思えてきました。

 あと、今回の記事で注目されるのは、コンビニの販売時点情報管理システム(POS)で売れ筋を分析し、販売絵本を入れ替えていくという点。コンビニですから、絵本の販売実績もシビアに解析されていくわけですね。

 ある意味、当然の販売戦略と言えます。しかし、ちょっとどうかなーと感じるところもなきにしもあらず。

 通常の書店であれば、販売実績だけでなく、いわば絵本の「質」を重視して棚をつくることもあると思います。売れるかどうかはともかく、この絵本を読んでほしい・読ませたいという思いで絵本を置くこともあるでしょう。これに対し、コンビニの場合には、すべて「売れる」絵本でおおわれる傾向が強い気がします。もちろん、スペースが限られていることもあるでしょうが、しかし、POSで分析して売れる絵本だけで棚をつくるとなると、そこには絵本に対する「思い」が入り込む余地はあまりなくなるように感じます。

 まあ、考えすぎかもしれませんね。でも、せっかくだから、おまけ付き絵本だけじゃなく、もうちょっとスタンダードな絵本も置いてほしいところです。コンビニにとっても、そのほうがイメージアップになると思うのですが、どうでしょう。

講談社がコンビニで絵本を販売

 8月23日付け、NIKKEI NET:企業 ニュースの記事、講談社、コンビニで絵本販売・独自商品も出版

 講談社が、今年中に大手コンビニ約7000店に専用の棚を設置し、絵本の販売を強化するそうです。常時24作品を用意し、独自商品も出版するとのこと。すごいですね。

 今回の計画の背景について、記事では、中小書店の減少に対する新たな販路の開拓を挙げています。しかし、中小書店が減っていることはだいぶ以前からの傾向でしょうし、なんとなくですが、他にも理由がある気がします。

 一つは、出版社側の事情のみならず、コンビニ側にも絵本販売への積極姿勢があるのではないかという点。地域のコンビニ出店が飽和状態にあり、コンビニ業界の成長が鈍化していることは、以前から新聞でも報道されていたと思います。そのため、これまでとは違った戦略が試みられている気がします。

 たとえば、8月22日付けの北國新聞の記事、金大にカフェ風店舗 サークルKサンクス 石川に個性派コンビニ続々 ローソンは緑地併設店にあるように、従来はあまり見られなかったような場所に出店したり、店舗の設計を変えたりすることもその一例でしょう。

 同様に、7月2日付けのNIKKEI NET:企業 ニュースの記事、ローソン、高齢者向けにコンビニ改装・全体の2割に、7月1日付けの神戸新聞の記事、高齢者向けのコンビニ開店 淡路市内にあるように、高齢者という従来はコンビニの中心的な顧客ではなかった世代にターゲットを拡大する試みも行われているようです。

 こういった店舗戦略の流れのなかに今回の絵本販売も入ってくる気がするのですが、どうでしょう。

 実際、「高齢者向けコンビニ」を計画しているローソンは、その一方では、現在、ハッピー子育てプロジェクトを推進しています。その趣旨は、子育てを応援するコンビニ、コンビニを子育て中の母親のコミュニケーションの場にすることとされています。子どもや子育て中の母親が使いやすい店舗の立地やレイアウト、「思わず来店したくなるサービス」や商品の開発が目指されています。計画では、「高齢者向けコンビニ」と同様に(?)、モデル店で検証をおこない、多店舗展開を目指すようです。

 このコンセプトからすると、絵本の販売は、まさにぴったり趣旨に合いますよね。絵本の販売は、コンビニにとっても、新しい顧客を開拓するうえでポイントが高いのではないかなと思います。

 そういえば、ローソンの「ハッピー子育てプロジェクト」のキャラクターは、ミッフィー。ミッフィーの絵本といえば、講談社ですよね。ただの偶然ではないと思うのですが、ちょっと考えすぎでしょうか。

 でもまあ、ローソンでミッフィーの絵本を買えるのは、それはそれでよいかなと思います。ただし、上述の講談社の絵本販売の記事によると、販売されるのは、模型やミニカーを付けた絵本とのこと。うーむ。どうせなら、そんなギミックものではなくて、正統な(?)絵本にしてほしいところです。

 しかし、それではコンビニで売れないのかもしれませんね。なんだか絵本が置かれている現状を象徴しているような気もしてきます。