川端誠『めぐろのさんま』

 川端さんの落語絵本シリーズの1冊。はじめてサンマを食べた殿様のトンチンカンぶりがおかしいです。でも、うちの子どもは、話のオチがよく理解できなかったようでした。いろいろ説明して、一応、分かったみたいです。

 うーん、落語絵本を以前読んだときもそうだったのですが、子どもがスムーズに理解するのは難しいですね。元にする落語にもよるでしょうが、なんだろうな、直接的で体感的な笑いとは違うからだろうか。というか、以前のページに描かれている物語の伏線をよく了解していないと最後のオチが分からないんですね。けっこう要求水準が高いかもしれないと思いました。

 それはともかく、絵はなかなかコミカル。うちの子どももこの絵にはだいぶ惹かれていました。川端さんのあとがきに書かれていましたが、主人公の殿様がおかしいです。川端さんによると、絵を描く前に登場人物のキャラクターデザインをするそうで、今回、殿様については、無邪気なとっちゃん坊や風にし、好奇心の強そうな表情を作ってみたとのこと。まあるい顔で、ほっぺたがふくらんでいて、じっさい物語にとても合っていると思いました。

 笑ったのはラストページ。殿様の抜け具合にみんながガクッとなるわけですが、よく見ると、床の間に飾ってある花も折れています。あと、表紙もよいですね。目黒で取れるたくさんの野菜のなかのサンマ。これも物語の伏線と言えそうです。

 初出は月刊『クーヨン』2001年11月号「おはなし広場」。

▼川端誠『めぐろのさんま』クレヨンハウス、2001年

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