昨日紹介した『トリゴラス』の作者、長谷川集平さん関連のウェブサイトです。
まずは、長谷川集平さんとロックバンド、シューヘーのウェブサイト、SHUHEI’S GARAGE。無知でぜんぜん知らなかったのですが、長谷川集平さんは、チェロとギターのライブ・ユニット「シューヘー」で音楽活動もされているんですね。これまでの遍歴やライブレポート、スケジュール、歌詞集など詳細な情報が掲載されています。長谷川集平さんの著作リストもあり、本やCD、絵はがきやTシャツは通販もされています。本については、内容紹介や書評などの情報もたくさん掲載されていて、とても充実しています。ただ、絶版が多いのが少々悲しいですね。あと、3ヶ月に1度、「シューへー通信」というニュースレターを発行されていて、その案内もありました(一部は記事も読めます)。掲示板には長谷川さんご自身も登場されて、活発なやりとりになっています。
続いて、長谷川集平さんが講師となって1995年から2ヶ月に一度おこなわれている自主的な連続文化講座、長崎絵本セミナリヨのウェブページ。SHUHEI’S GARAGE と同じcojicoji.com のなかにあります。この講座は、「絵本について」「絵本と映画について」「絵本と音楽について」の三つのテーマを順番に取り上げながら、絵本を文化という観点から取り上げていくものだそうです。すでに52回を数えています。スタッフの方のレポートもありました。ここのサイトに掲載されている、「長崎絵本セミナリヨ七ヶ条」は必見です。
そして、復刊ドットコムの『長谷川集平』復刊特集ページ。以前紹介したスズキコージさんもそうでしたが、長谷川集平さんも、数多くの著作が絶版で、復刊リクエストのあったものがリストになっています。絵本ガイドでもしばしば目にする『はせがわくんきらいや』も三度も絶版になり、復刊ドットコムでようやく復刊が決まったそうです。他にも『映画未満』や『絵本未満』といった割と有名な著作も絶版のようです。この機会に私も幾つか復刊のリクエストを投票しました。
この特集ページには、長谷川さん自身のメッセージも掲載されていました。少し引用します。
作品には時として作者の思惑を越えたものが埋め込まれることがあります。作者も受け手のひとりとして、長い時間をかけて宝探しを続けることになります。せっかちな商売の仕組みと落ち着きのない精神生活の中で、ぼくらに必要な「長い時間」が失われがちになっているのを残念に思います。
いまや本が消耗品になってしまったことは、ずいぶん以前から指摘されてきたかと思います。絵本もまたどんどん絶版になっているのが現状なのでしょう。でも、絵本はもともと、瞬間風速的に受容されるものではなく、長い時間をへて繰り返し読まれていくもののような気がします。私も自分が小さいころに読んだ絵本を自分の子どもたちに読み聞かせたりし、そのとき私は長い時間をへてもう一度絵本に出会い、あらたな感動を得たりします。何十年も前に描かれたものでも、まったく古びることのない絵本はたくさんあります。長谷川さんの「長崎絵本セミナリヨ七ヶ条」を読みながら、絵本のまわりに「ぼくらに必要な長い時間」が流れるには何が大事なんだろうと考えてしまいました。