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チョン・スンガク『くらやみのくにからきたサプサリ』

 訳者の大竹さんの説明によると、「サプサリ」というのは、「鬼神を見つける狗(いぬ)」という意味の名前を持つ韓国固有のイヌだそうです。昔の韓国の人々は、サプサリの絵を家や蔵の門に貼って厄除けにしたとのこと。この絵本は、そのサプサリの由来を韓国の昔話をもとに描いたものです。天にある暗闇の国に火をもたらそうとする「火のいぬ」(のちのサプサリ)の神話。玄武、朱雀、青龍、白虎の四神も登場します。なにより絵が非常に美しい。大竹さんの説明にもありますが、基本的に五方色(赤・黒・白・青・黄)と金で描かれているのですが、鮮やかな色合いで圧倒的な迫力です。浮き彫りにした板(?)を布をおおい、そのあとで彩色してあるとのこと。たしかに画面が立体的に浮かび上がってくるよう。物語がはじまる前と後には、それぞれ見開き2ページを使い、くらやみの世界とひかりの世界が表現されていて、これも印象的です。原書の刊行は1994年。この絵本、おすすめです。
▼チョン・スンガク/大竹聖美 訳『くらやみのくにからきたサプサリ』アートン、2004