一人暮らし(?)の「ふくろう」の5つのお話。どれも、どことなく孤独と寂しさが奥底にあるように感じるのですが、と同時に、軽やかなユーモアに包まれています。くすくすと笑いたくなってくる感覚です。
それが一番表れているのは、なんといっても「なみだの おちゃ」。ずっと悲しいことばかりが列挙されていくのですが、最後の2ページでそれが一気に反転します。いや、というか、そもそも最初のページからして違いますね。「ふくろう」曰く「さあて、ぼく はじめるよ」。なんの屈託もなく、快活そのものです。
そして、ラスト1ページの開放感。悲しいことはたくさんあるし、とことん悲しいのだけれど、でも、それに囚われることはないんだな。そういう気分になります。
うちの子どもは、やはり「なみだの おちゃ」の味が気になるようでした。話が終わる前に、ちゃんと予想していました。うちの子ども、涙の味をどんなふうに感じてきたのかな。それが、「なみだの おちゃ」のように「とても いいもん」になっているといいなと思います。
あと、「おつきさま」のお話も、なんだか子どもの頃のことを思い出しました。夜の帰り道、いつまでも付いてくる月に、たしかに友情のようなものを感じていたと思います。
絵は、「ふくろう」の大きく見開かれた目が印象的。一人ぽつんとたたずんでいる、そんな雰囲気があります。
原書”Owl at Home”の刊行は1975年。
▼アーノルド・ローベル/三木卓 訳『ふくろうくん』文化出版局、1976年、[印刷:文化カラー印刷、製本:大口製本]
はじめまして。
わたしもこの絵本大好きです♪
やっぱり「なみだのおちゃ」と、それから「こんもりくん」も好きです。
クスッて笑えて幸せになれる絵本ですよね。
ことりさん、コメントをありがとうございます。レスポンスが遅くなってしまい、すいません。
この絵本、いいですよね。ふくろうくんの孤独な一人遊びのように見えて、でも、それがジメジメせず、からっとしている……。どことなく寂しいのですが、それだけでなく開放的なユーモアがありますね。「こんもりくん」もそんな印象があります。
涙の形 The Alchemy of Tears
エヴリン・タブというソプラノ歌手を知ったのは、1995年秋のコンソート・オヴ・ミ
はじめまして。
私は小学5年生の女の子です。
お母さんと一緒に絵本のブログをはじめました。
今日は「ふくろうくん」の本について書きました。
私も涙のお茶の話が好きです。
トラックバックさせてください。
ふくろうくん
アーノルド・ローベル:作三木 卓:訳文化出版局:出版おすすめ度:あらすじ:ちょっぴりまがぬけているふくろうくんのいろいろな物語。私の感想:ふくろうくんは悲…
赤ずきんちゃんさん、コメントとトラックバックをありがとうございます。また、大幅に返信が遅くなり、すいません。いま仕事がとても忙しく、なかなか返事を書く余裕がありませんでした。
涙のお茶の話、ホントにいいですよね。悲しさと明るさが絶妙にブレンドされていて、大人が読んでも子どもが読んでも、とても印象深いと思います。ちょっと他にはない魅力があります。
トラックバックもコメントも、今後とも、ぜひ、よろしくお願いいたします。そのうち、赤ずきんちゃんさんのブログにもお邪魔しますね。