今日は1冊。マドレーヌたちのお隣のお屋敷に住んでいた男の子ペピート、お父さんのスペイン大使といっしょにロンドンに引っ越していきます。ところが、ロンドンに着いてからペピートは、マドレーヌたちに会えないさみしさで、みるみるやせてしまいまるで棒のよう。そこで、マドレーヌたちがロンドンに向かうという物語。
今回もマドレーヌは元気いっぱい。いろいろ騒動を巻き起こしますが、楽しい雰囲気。シリーズの他のものと同じく、黄と黒を使ったシンプルなページと色鮮やかなページが交互に現れ、またロンドンのさまざまな名所も随所に差し挟まれています。イギリス王室まで登場。よく見ると、ロンドンでも小さな男の子(?)たちが2列に並んで散歩しています。数えてみたら20人。マドレーヌたちとは違って緑の服装です。
この絵本、子どもともども楽しんだのですが、ただ、ストーリーそのものは少々ギクシャクしている気がしました。前半と後半が二つの別のお話に見えて、その結びつきがあまりスムーズではないような。結局、マドレーヌたちといっしょに馬がパリに行くのも「ん、なんで?」です。
それはともかく、一番最初のページでは、お話の基本的な前提を12人の女の子がまるで紙芝居のようにして説明しています。なるほど、こういう導入法もあるんですね。
原書の刊行は1961年。
▼ルドウィッヒ・ベーメルマンス/江國香織 訳『ロンドンのマドレーヌ』BL出版、2001年