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ふくだとよふみ/なかのひろみ/まつもとよしこ『ぞう どうぶつえんであそぼ』

 これは、おもしろい! ゾウのモノクロ写真絵本。ただの動物写真ではありません。ゾウの全身像はもちろんですが、ここまでやるかというくらいの接写がたくさん。どうやって撮影したのか、まさに驚きの写真です。

 たとえば、鼻のしわしわのアップや鼻の穴、口や牙などなど、すぐそば数十センチで間近に見ているかのようなど迫力の写真が次から次へと登場します。ゾウのおっぱい、耳の穴や長くりっぱな眉毛、身体のあちこちに生えた毛、足の裏のひびなんて、はじめて見ました。これは本当にすごいです。

 とくに人間の目の高さから見上げたゾウの姿は、実に大きくりっぱで、文字通り偉大。カラーではなくモノクロであることが、なおさら、ゾウという生き物のすごみを感じさせるように思いました。ゾウの身体に刻まれた皺の深さなんて、モノクロだからこそ表現できるんじゃないでしょうか。

 巻末、裏表紙の見返しには、一つ一つの写真の解説と、ゾウの生態に関するたくさんの豆知識が掲載されています。こちらにも、驚きの説明がいろいろありました。非常に興味深いです。

 奥付を見ると、取材・撮影協力は群馬サファリパークとのこと。表紙の見返しのイラストは、どうやら、ふくだとよふみさんや、なかのひろみさん、まつもとよしこさんの家族や友人たちのようです。以前読んだ『う・ん・ち』同様、楽しい本作りの雰囲気が伝わってきます。

 この写真絵本、それ自体の大きさは小さめ(18×15㎝)ですが、内容はまさに必見。うちの子どもも、かなり気に入っていました。おすすめです。

▼ふくだとよふみ 写真/なかのひろみ 企画・文/まつもとよしこ 構成・デザイン『どうぶつえんであそぼ ぞう』福音館書店、2004年、[印刷:鏡明印刷株式会社、製本:大村製本]