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辻村益朗『かいぶつ ぞろぞろ』

 2冊目はまたまた『かいぶつ ぞろぞろ』。この絵本では、ネーデルランドと日本、それぞれの古い地獄絵が載っていて比較できるようになっています。うちの子どもは、どちらかというとネーデルランドのものが恐いと言っていました。ヨーロッパの地獄絵は恐怖の描写が徹底しているかもしれません。日本のものは、もちろん恐いは恐いのですが、なんとなくユーモラスなところがあります。

▼辻村益朗 構成・文『かいぶつ ぞろぞろ』福音館書店、2004年

辻村益朗『かいぶつ ぞろぞろ』

 3冊目。福音館書店から新しく刊行された「びじゅつのゆうえんち」シリーズの1冊。裏表紙にはこのシリーズの案内文がありました。引用します。

ここは、子どものための美術の絵本遊園地。
美しいもの、おもしろいもの、
びっくりすること、わくわくすることを
たくさん用意しました。
感性のぐんとのびる今、一生の宝になる、
すばらしい思い出を持ちかえって下さい。

【入園できる人】
子どもからおとなまで
どなたでも。
親子大かんげい。
【開園時間】
あさからばんまで
いつでもどうぞ。
ただし、ま夜中には
おばけがでるかもしれません。

 なかなか意欲的なシリーズです。ウェブサイトもあります。

 この絵本では、神話や伝説や説話などに登場する怪物を描いた古今東西の美術作品が取り上げられています。怪物たちはいろいろな動物を組み合わせてイメージされているということから「足し算のいきもの」と呼ばれ、子どもにも分かりやすく説明されています。もちろん、大人が読んでも十分興味深くおもしろいです。巻末には、取り上げられた美術作品の詳しい説明も付いていました。

 うちの子どもには少し難しいところもあったようですが、戦隊ものやウルトラマンで怪獣になじんでいるためか、この絵本、けっこう楽しんでいました。

▼辻村益朗 構成・文『かいぶつ ぞろぞろ』福音館書店、2004年