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ユリ・シュルヴィッツ『あるげつようびのあさ』

 今日は3冊。この絵本は、視点の置き方・動かし方が特徴的かなと思いました。たとえば物語のはじまりとおわりでは、いわばカメラを前後に動かすような表現になっています。他にも、王様と女王様と王子様が現れる場面では、カメラが横移動するような描写です。映画的と言えるかもしれません。

▼ユリ・シュルヴィッツ/谷川俊太郎 訳『あるげつようびのあさ』徳間書店、1994年

ユリ・シュルヴィッツ『あるげつようびのあさ』

 なんとも不思議な絵本。ニューヨークに住む男の子のところに、王様、女王様、王子様、お付きの人たちが行列を作って訪ねてくるというお話。この行列がとてもユーモラス。ラストにはトランプの絵札と人形が描かれており、どうも、ここから王様たちは抜け出してきた気がしてきます。フランスの古い民謡に基づいていると記されていました。

 訳者の谷川さんのあとがきによると、ニューヨークのソーホーの実在のまちなみが紙面の端々に描かれているそうです。原著の刊行は1967年。この絵本、おすすめです。

▼ユリ・シュルヴィッツ/谷川俊太郎 訳『あるげつようびのあさ』徳間書店、1994年