冨成忠夫、茂木透/長新太『ふゆめ がっしょうだん』

 冬の木の芽を拡大して写した写真絵本。1ページに1つずつ写真が配置され、その下に長新太さんの文が付けられています。

 木の芽はどれも何かの「顔」のように見え、とても「表情」豊か。うちの子どもと一緒に「これは眼だねー」「鼻みたい」「大きな耳!」「宇宙人みたいだねえ」などと、一つ一つの写真を見ながら、いろいろ話をしました。なかなか楽しいです。

 長さんの文は、まるで歌のような趣。同じフレーズが幾つかあり、そこには同じ木の芽の写真が載っています。これが全体のアクセントになっています。

 巻末には「おとなの かたへ」と題された説明がありました。「顔」に見えるところは実は落葉した葉の柄が付いていた跡で、また眼や口のように見える模様は、葉に養分を送っていた管の断面とのこと。その上にある円形ないし円錐形の部分が冬芽で、春にはそこから葉が伸びてくるのだそうです。写真一つ一つの木の名前も載っていました。

 春を待ちながら少しずつ静かに準備をしている木の芽たち。その息吹はたしかに何か歌を歌うようなものかもしれませんね。写真の木の芽の「顔」それ自体、口を開け、眼を開けて、みんなで歌を歌っているようにも見えてきます。冬のしんしんとした林のなかで、そんな木の芽たちの静かな歌声がゆっくりと流れていると思うと、寒い冬も楽しくなるかのようです。

▼冨成忠夫、茂木透 写真/長新太 文『ふゆめ がっしょうだん』福音館書店、1986年(「かがくのとも傑作集」としての発行は1990年)

冨成忠夫、茂木透/長新太『ふゆめ がっしょうだん』」への3件のフィードバック

  1. この本見てみたいなぁ。
    長新太さんが文章を書いているんですね。
    しかも、写真絵本かぁ。楽しみです。
    あそべるな~。愉快だな~。
    長さんの絵本のなかでも、とってもめずらしいと思いますので、貴重な本ですね。
    ぜひ、見てみたい絵本です。(^^*
    --(や)--

  2. コメントのリアクションが遅いですね。
    コメントが届いているのか心配だ・・・。

  3.  山猫編集長さん、コメントをありがとうございます。
     せっかくコメントをくださったのに、MTのレスポンスが遅くて、すみません。最近ここのウェブログにもスパムコメントやスパムトラックバックが来るようになったので、新しくプラグインを入れたのですが、それが原因のようです。設定を変えましたので、少しは反応が早くなると思います。それでも、まだ遅いかもしれませんが、どうぞ、お許し下さい。
     長さんが文だけを書いている絵本は、たしかに珍しいかもしれませんね。『ふゆめ がっしょうだん』の文は、とても短く、歌の詩のような感じです。なんだかやさしい詩です。

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