絵本の復刊の動き

 読売新聞、1月3日付けの記事、懐かしの絵本 続々復刊 : とれたて!ミックスニュース : ニュース : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)。1950年代から70年代にかけて出版された絵本や児童書の復刊が続いているそうです。

 筆頭に挙げられているのは、『ちびくろ・さんぼ』(瑞雲社)。これは、かなり話題になりましたね。これまでに30万部発行したとのことで、すごいです。他にも、学研、光文社、集英社が絵本や児童書を復刊しているそうです。

 復刊ドットコムの担当者の方の話もありましたが、全体の復刊リクエストのうち1割近くが児童書分野。当然ながら、子どもというよりは親世代からのリクエストのようです。

 なんとなくですが、絵本や児童文学は、記憶の奥底に深く刻まれるものなのかなと思います。もう一度読んでみたいという気持ちの強さが違うのかもしれません。たとえば、bk1はてなこどもの本のカテゴリーの質問一覧を見ても、子どもの頃に読んだ絵本や児童文学のタイトルを教えてほしいという質問が並んでいます。こんなふうに、ある程度確かなニーズがあるから、復刊がビジネスとして成り立っていると言えるかもしれません。

 もう一つ思うのは、世代による違いです。こういう絵本や児童文学の記憶がきちんと存在するのは、もしかすると、戦後のある一定の時期以降のことなのかもしれません。いや、出版の歴史をきちんと調べたわけではないので、よくは分かりませんが……。

 世代ということに関連しますが、上記の記事での赤木かん子さんの指摘は、なるほどなと思いました。赤木さんは復刊ブームを「ノスタルジー出版」と評し、次のように言われています。

ただ子どもや孫に与えても、自分と同じように感動するとは限りません。大人が楽しむ一種の古典文学として支持されていくでしょう」

 自分が感動したからといって、必ずしも子どもが感動するわけではない……。たしかに、そうですね。絵本や児童文学の記憶はおそらく非常に個人的なものではないかと思います。だから、簡単に共有できるものはないでしょう。だから、復刊絵本は、大人のための絵本の一パターンとして定着するということ。

 もちろん、世代を超えて受け継がれていく絵本も確実に存在するわけで、親が楽しんだ絵本を子どもも楽しむこともあります。ただ、押しつけにならないように気を付ける必要はあるかなと思いました。

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